朝だけのうどん、一杯1,200円。
この店では肉入りが標準の「うどん」(1,100円)で、これに卵を落とした「月見うどん」(1,200円)をほとんどの客が頼んでいます。
肉なしだと「ぬきうどん」(500円)と呼び、背脂などの油も抜いたものは「ぬきぬきうどん」と言って500円。しかし私がいる間、「ぬき」も「ぬきぬき」も頼む人はいませんでした。
福岡の東、箱崎で朝7時から11時まで営業している「うどん箱太郎」。
民家のなかにひっそりとあり、看板もなし。「営業中」の札が下がっていなければ通りすぎてしまいます。
その、朝から人気の「月見うどん」。麺は博多標準のふやふや腰なしうどん。
「うどん平」「葉隠うどん」などの正統派に比べるとやや硬めですが、ちゅるんっと喉を通る感触がいい。
しかしこの店はなんと言っても肉。普通の肉うどんが牛バラ肉の薄切りなのに対し、ここのは牛ほほ肉の塊。一辺2cmくらいの長方体や四面体の肉がこれでもかというほど入っています。
まあ、これだけぶち込まれれば1,200円は当然かな、と思わせる肉まみれうどん。
仕上げに、背脂を中心とした油をネギの上からジャーっとかけることで香ばしさとコクを出しています。油の膜が表面を覆うことで、熱さが持続し、いつまでも熱々をすすれるメリットも。
おすすめは、ごはんをつけること。月見うどんのスープを卵黄ごと茶碗にぶっかけ、さらさらと食べるとなんとおいしいこと!
米のほうがうどんよりもスープを吸いますから、より一層スープのうまさを感じ取れます。正直、うどんよりもおいしいと思いました。
木造住宅を改装し、大きな空間の奥がL字型のカウンターで残りが殺風景な待ち合い場所。
不思議な空間で食べる一種の“選民感”のような非日常がよりおいしく感じさせるのでしょう。
高いし遠いし面倒ですが、一度は味わう価値があると思います。
「うどん箱太郎」(福岡箱崎・うどん)
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400201/40063686/