博多は、うどんと蕎麦の発祥の地。
13世紀、宋から帰国した聖一国師という僧が博多に承天寺を開いたとき、一緒に持ち帰った製粉技術によってうどんや蕎麦、饅頭が初めて日本に伝えられたとか。
承天寺はいまもあり、境内には「饂飩蕎麦発祥之地」の碑が立っています。
その承久寺のすぐ横に建つうどん屋「春月庵」。
伝来から800年以上そのままの技法を守り続け…なんてことはなく、地元の老舗の製麺所が経営。
ただ、当時の技術では完全に不純物を取り除けなかっただろうと、胚芽とふすまを練り込んだ「中世博多うどん」を提供しています。
さっそく「ごぼ天」と「肉」を注文。
製麺所だけあってうどんは3玉まで同じ値段と太っ腹ですが、私は1.5玉にしました。
出てきた器はまるで洗面器。まばらに泳ぐ麺や、結束を失って所在なげなごぼう天の姿がユーモラスです。
また、ナルトが浮いてるのも珍しい。麺は博多らしい柔らかさですが、ふやふや腰なしの表面溶けかけ、とまではいきません。胚芽やふすまが入ってるせいでしょうか。
おいしかったのはごぼう天。断面が三角に削ぎ切りしてあり、歯ごたえを残しながらも柔らかい。
また、肉はほぼ完全にすき焼きの味。何がどうだから、とは説明できないのですが、まごうことなきすき焼きの味でした。
スープは濃い味。
昆布と鰹から取ったという出汁は風味豊かですが、ちょっとしょっぱい。個人的にはもうちょっと薄めてほしい
気がします。
あらためてメニューを見ると、蕎麦はうどんより150円も高いことに気づきました。
蕎麦にあまりなじみのない福岡でこれだけの価格差をつけていったいどれほどの蕎麦を食べさせてくれるのか。
次は蕎麦にチャレンジしてみたいと思います。
「春月庵 承天寺前店」(祇園・うどん)
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400101/40024401/