その名も「ころしのカレー」。
でも毒が入ってる訳ではありません。
もとは女性に受けるカレーとして開発し、「女ごろしのカレー」と名付けたとか。
しかしやや物騒な名前だということで「女」を取り、「ころしのカレー」となったそうで。
…まあ、取ろうが取るまいが物騒ですが。
この店、福岡では知る人ぞ知る有名店。
郊外の二日市という街の二大巨頭とも言われる人気カレー店なのです。
もうひとつの巨頭・小林カレーがスープカレー風のサラサラならば、こちらは粘度が高くてドロドロで、まず甘さがくるようなタイプ。
風味で言うと、東京・神保町の名店「ボンディ」に似た感じのいわゆる欧風。スパイスもたぶんS&Bがベース。ただ、ベースの甘さは並み大抵のものではありません。
「フルーツの甘さ」と店では説明していますが、オタフクソースの強烈な甘さの源泉・デーツでも使っているのではないかと思うほど。辛さは甘口・オリジナル・チョイ辛・美味辛・激辛・超激辛・悶絶激辛の7段階から選べますが、個人的には激辛でやっと甘さに打ち勝ってカレーとして食べられる感じ。
しかし砂糖を口にするとアドレナリンが脳内を駆け巡ると言うように、この甘さは人の心を捕えて離しません。まるで鼻田香作のブラックカレーです。
この店、注文の仕方もユニーク。
大きめの短冊状の紙が各テーブルにあり、ご飯の量、辛さ、トッピングはもちろん、焼きカレーの選択肢もあり。書いたらレジに持っていき先払いです。
トッピングもまた多種多様。卵だけでもゆで卵に温泉卵、トロ〜リ卵と3種類。カツにハンバーグ、納豆にパイナップルと考えつくものを全部書いた感じ。
そのなかで私の好みは一番人気の「ジェロニモ」という牛すじの煮込み(+300円)。この牛すじのトロトロ感はなかなか。ただ、量が毎回一定してないようで1回目、「ふーん、これが牛すじ」という感じだったのが、次また頼んだら「牛すじだらけやんかー」と叫びたくなるような量が混ぜ込んでありました。
ほか、煮込みチキン(+200円)はよく煮込まれていて味もなじんでいます。
トンカツは薄くはないものの肉肉しさが薄く、ハムカツを食べてるかのよう。
野菜は揚げナスとレンコンという組み合わせで、小林カレーの華やかさを先に見てるとがっかりしますが、量はたっぷりです。
(別の日にはトマトが入っていましたが)
いろいろ試せて楽しめますが、ルー(カレーソース)は一種類しかないので、このドロドロ感と強烈な甘さが好みかどうかがすべて。
ぜひ一度、「現代のブラックカレー」を味わってみてください。
「ころしのカレー」(福岡二日市・カレー)
https://tabelog.com/fukuoka/A4003/A400301/40001694/