日田焼きそばって初めて食べました。
日田焼きそばとは、福岡市から見ると一番近い大分県である日田市で、戦後間もない時期に生まれたもの。
鉄板でしっかり焼き付けられて硬くなった麺が最大の特徴で、細いもやしと短冊形に刻まれた豚肉が同様に焼き付けられるようにして合わせてあります。
ソースが主体の味付けといいますがよくある刺激的なソースの辛さはなく、どこか醤油っぽい感じもあって食べやすい。
オプションで生卵を乗せ、崩して麺に絡めるとさらにマイルドになります。
そもそも日田焼きそばが生まれたのは「パンやご飯には焼くメニューがあるのになぜ麺には焼いたものがないのか」という、ある男の疑問がきっかけだったといいます。その彼が「想夫恋」という発祥の店の創業者です。
さらに言えばそれまでの日本には焼きそばというものは存在せず、「焼きそば」という名もこの創業者がつけたとのこと。
意外な気もしますが、お好み焼きが戦後の焼け跡のなかで生まれてますし、餃子も満州や中国本土から帰還した兵士たちによって日本に広まったとされていますので、ありうることかもしれません。
その「想夫恋」の店長をしていた男性が開いたというこの店。
福岡市中心部から15kmほど南に下った国道3号線沿い。やや奥まった場所にあります。
店内は飾り気のないファミレス風。メニューも焼きそばが普通と大盛り、それぞれ生卵の有無で計4種類。餃子とご飯の大小、それに味噌汁というンプルそのものです。
注文したのは「焼きそば(生卵入り)」690円に「餃子(8個入り)」410円。
それにノンアルコールビールが170円と安かったのでつい。
当然のことながら焼きそばは注文を受けてから焼きますが、麺をしっかり焼き付けるために提供までの時間は長め。まあ期待を膨らませる時間と思えば気になりません。
一方、餃子はふんわりとして餡もしっかりでなかなかおいしい。
ただ、あまりにも形が整っていて外部業者のものかもしれません。
福岡郊外で孤軍奮闘する小さな店。発祥であるチェーンの店でもいいのかもしれませんが、応援する意味でも訪れてみてはいかがでしょうか。
「阿羅漢」(福岡太宰府・焼きそば)
https://tabelog.com/fukuoka/A4003/A400301/40016630/