これ以上の絶景がつくカフェってあるのでしょうか。
なにしろテラス席の目の前が断崖絶壁で、一面の海の大パノラマ。
空気が澄んだ冬などは遠くに富士山も望めます。
昔はもう少し向こうまで地面があったのですが、数年前の台風の際に崩落してしまいました。危険といえば危険、とってもスリリングなカフェなのかもしれません。
頼んだのはアイスコーヒーとアイスケーキ。コーヒーはドリップしたものをそのまま氷に落とした薄めのもの。
アイスケーキはチーズケーキのようなカスタードクリームのような不思議な生地にベリーなどのソースをかけたもので、甘さ控えめで上品な味です。
このカフェの名は「岬」。
千葉・内房の鋸山から続く山並みが海に突き出したところ。
金谷港から館山方面に坂を登り、2つめのトンネルのすぐ手前。小さなキーコーヒーの看板を目印に右に入ると、岩が露出した駐車場が。
思い思いに車を止め、徒歩で店へ。
断崖絶壁のすぐ際に建つプレハブの建物ですが、かつては雰囲気のある木造の建物があり、謎めいた女性が営む知る人ぞ知る憩いの場でした。
ところが10年前に火災で全焼。
しかしこの店を愛する多くの人々の支援で再建を果たします。建物こそプレハブになってしまいましたが、内装などは常連客による手作りだそうです。
紆余曲折ありながらも43年にわたってひとりの女性が営んできた喫茶「岬」。
ここをモデルに小説「虹の岬の喫茶店」が生まれ、吉永小百合主演の映画「ふしぎな岬の物語」となりました。
海を見ながらもの思いにふけるもよし、愛する人と語らうもよし、または店内で音楽に浸るもよし。
絶景とともに、おいしいコーヒーを楽しんでください。
「岬」(千葉鋸南・カフェ)
https://tabelog.com/chiba/A1206/A120603/12004072/