いったん角煮(水煮)にしてから衣をつけて揚げ、とんかつとして提供する。
究極の柔らかさを追求した結果生まれた唯一無二の料理です。
最初から縦横に切ってあり、デミグラスソースがたっぷりかかって提供されるカツは、お箸でつまんでもほろっと崩れます。口に入れてみてもその通りの柔らかさで噛まずとも肉汁が溢れてくる感じ。
ただ、そのジューシーさは脂が前面に出てくる感じでもありますので、あまりたくさんは食べられない感じ。好みがはっきりと分かれそうです。
「孤独のグルメ Season3」第10話の舞台となったこの店。都電荒川線の宮ノ前のすぐそばです。
今回、病院の予約時間の勘違いでぽっかり4時間以上空いてしまったため、その有効利用で思いきって行くことに。
宮ノ前の電停を降りてまっすぐ南に続く商店街は、いきなり古い惣菜店があるなど時間が止まったような一帯。
知らない演歌歌手のポスターがベタベタ貼りまくられてる甘味処。
通り過ぎるともう一軒。こんどは喫茶店。演歌はこういうところで息づいているようです。
店があるのはドラマのとおり、飲食店が集まった一角。
入ってみると意外に狭い。
メニューは意外に少なく、とんかつの定食が普通とハーフ。麦とろとのセットも同様に2種類のほかは、麦とろだけの定食とカツカレーのみ。「炎の酒鍋」は夜のみの予約制です。
せっかくなので、麦とろも食べたい。ハーフだと1,000円で、フルだと1,400円。悩んだ末にフルにしてみました。
確かに量が多い。カツも大きく、とろろもたっぷり。満足感があります。
正直言うと、とろろの方が印象に残るおいしさでした。粘りがあって出汁もしっかり効いてます。
ご飯にかけるには少し醤油を足した方が好みですが、なかなかない上質なとろろでした。麦とろ定食(900円)だけでも満足できそうです。
実はここ、東京女子医科大学病院の分院があり、看護学校もすぐそばに。通ってきた商店街も「女子医大通り」。
ドラマで若い女の子3人組が、合コンの話題をするなかで「その日夜勤だから行けない」と言っていたのにはそういう背景が織り込まれていたのでしょう。
昔ながらの古い商店街が意外に元気に見えたのは、地域住民のほかに病院に通う人々や医療従事者などに支えられてきたからでしょう。
下町の小さな小宇宙が、これからもずっと続いていってほしいものです。
「どん平」(宮ノ前・とんかつ)
https://tabelog.com/tokyo/A1323/A132303/13012282/