3度目の緊急事態宣言初日の11時半。店に入るなり恐る恐る聞いてみました。
「生ビールセットある?」
すると中国語を話すお姉さんは平然と「ありますよ」と。むしろなぜ聞くんだといわんばかりの表情で。
すぐに中ジョッキがカウンターの上に置かれました。
あまりにも普通に出てきたので、周囲の視線を気にして店内を見渡すと隣の若い女の子たちの前にもジョッキが。
大丈夫か?
でも朝早くの勉強会が終わり、ひと息つきたかった私には予想外の嬉しいビールでした。
その後、女性ふたりで回していた店にもうひとり出勤してきます。今度は若い中国人風の男性。マネージャーのようです。
しばらくして隣の客がビールを追加注文すると、さっきの女性スタッフは「ビールはもうなくなった」と。どうやら女性ふたりが【禁酒令】を知らなかったということのようです。ラッキーでした。
さて、食べログの「餃子百名店」に選ばれたこの店。その餃子は見た目は大きくて丸くて餃子というより饅頭のよう。
皮はもっちりとして厚め。中国本来の、主食・完全食としての餃子の姿を守っています。
餡は肉とニラのみ。たっぷりと肉汁が入っていて、不用意にかぶりつくと噴水のように噴き出しますからなかなかおっかない。しかし、ひと口頬張ると肉汁のうま味が口のなかであふれ、もちもちした歯応えもまた快感と変わっていきます。
慣れ親しんだ餃子とは違うので最初は戸惑いますが、5個6個と食べ進むうちに離れられなくなりそうです。
この店があるのは代々木。
西口を出てすぐ南につながる細い路地をまっすぐ行くと共産党本部にたどり着くのですが、この路地の入り口近くで赤い大きな看板を掲げているのがこの店。
表に食券販売機があるものの、店内でも注文が可能。
入るとL字形のカウンターがあり、その中が厨房となっています。
餃子ひとつひとつが大きいので、6個食べるとそれなりにお腹にたまるのですが、朝食もろくに食べてなかったので「台湾ラーメン」を追加。
名古屋名物の超激辛ラーメンを予想していたのですが、出てきたものは見た目からしておとなしい。
醤油味のややぼんやりとしたスープに辣油が半分ほどかけられています。
この辣油もさほど辛くはなく、硬めにゆでられた細い縮れ麺が懐かしい感じ。
あっさりと食べることができました。
コロナ禍だからと席を間引きすることもなく、衝立もほとんどなくてちょっとヒヤッとはしますが、料理そのものは本場っぽくておいしい。
2階もありますから、少人数でテーブルを囲むように食べるのがいまの時代ではおすすめかもしれません。
とにかくコロナが早く収束し、堂々とビールが飲める時代になってほしいものですね。
「曽さんの店」(代々木・餃子)
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130403/13021680/