オムライスは日本生まれ。
大正の終わりから昭和の初めにかけて洋食屋で誕生したとのことですが、ニッポンの中華との親和性も高い。
なにしろご飯を炒めるのは本業ですし、天津丼もまた日本発祥なのですから卵の扱いは慣れてます。
かくして昔ながらの街中華の店にオムライスがあるのは当然なのかもしれません。
なかでもオムライスの評価が高い店がここ。
高円寺駅から歩いて6分。サルスベリの紅白の花が咲き乱れる通りにある古い建物。
近寄り難いと言う人もいますが、むしろピッカピカのお洒落な店よりも入りやすい。
引き戸をくぐると真ん中にコの字型のカウンターがあり、右の空間にテーブル席が3つ。
左にはビールが入った冷蔵ケースがあり、セルフサービス。
大瓶と中瓶があるのが親切ですし、グラスも一緒に入っていて冷やされているのが嬉しいかも。
着いたのが正午直前で、カウンターはひとつおきに空席があるもののテーブルは満席。
衝立などはないものまあソーシャルディスタンスは取れていますし、それ以前に開けっ放しで暑いこと暑いこと。ビール瓶もあちこちに立っています。
頼んだのは当然オムライス。そして餃子。
昼のピークなのに手間のかかるメニューを嫌な顔ひとつ見せずに受けてくれるところが嬉しい。
壁の日替わりサービスメニューを見るとオムライスは650円。50円の割引でした。ラッキー。
オムライスが提供されたのは15分くらいたった頃でしょうか。餃子もほぼ同時。
卵はトロトロ半熟の面を上に、チキンライスに被せた形。なかなか美しい。
スプーンを入れると卵焼きは割と厚く、卵3個ぐらい使ってる感じでしょうか。ふわふわなのは油をたっぷり含んでるからで、家庭ではなかなかできません。
中のチキンライスはしっとり。あと一歩でべっとりになるところをギリギリで踏みとどまっている感じ。味も濃いめですが、喉が痛くなったりするようなくどさはありません。
具は1cm四方の鶏肉がコロコロとあって刻んだ玉ねぎがまぶされてる感じ。具だくさんとはとても言えませんが卵がたっぷりなので文句なし。すべてが卵とあわせてちょうど良くなるような絶妙なバランスで作られています。
一方の餃子はずんぐりとした形で大きさは標準的。
ふわっとして中に空間がありますがニンニクの効いた餡は肉と野菜のバランスもよく、パクパクと食べられます。380円ですから文句なしでしょう。
昔、2回来たことがあってなぜか2回ともホイコーロー定食を食べていたのですが、街中華としてしっかりした味でした。たぶん何食べてもはずさないのでしょう。
40年以上愛されてきた店にはちゃんと理由があるもの。気取らず実質本位で頑張ってきたこの店の真価をぜひ感じ取ってみてください。
「七面鳥」(高円寺・中国料理)
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