ニッポンの洋食の歴史って、外国を勝手にイメージしてテキトーにネーミングしてきた歴史そのものです。
それにしても「ネルソン風カツレツ」というのは初めて見ました。
どうやら由来は英国のネルソン海軍中将。
フランス革命の時代、トラファルガー海戦で仏西艦隊を撃破し、ナポレオンの英国侵攻を阻止した英雄です。
でもこの「ネルソン風カツレツ」は肉の上にコロッケの中身であるホワイトソースをこんもり塗りつけ、衣をつけて揚げたもの。なぜこれが「ネルソン風」なのかはどこを調べてもでてきません。
断面を船に見立てたのか、それともビクトリアカツに刺激されて英国の有名人の名前を思いつくままにつけたのか。まあそんなところでしょう。
この店があるのは虎ノ門。
虎ノ門ヒルズのすぐ北の雑居ビルが立ち並ぶエリア。
去年暮れの「孤独のグルメ 2020大晦日スペシャル」の舞台となった店です。
この大晦日スペシャル、最後に生放送で花火を打ち上げるのが大きな目的で、そのために花火会社が川崎、倉庫が秩父、打ち上げ場所が横須賀と動線が先に決まっていたために、店選びはおざなりになっていた感があります。
しかしこの店はそれ以前から人気の店。いつ行っても行列。周辺で働く人々のオアシスとなってきました。
この日、ランチは日替わりがこの豚ひれネルソン風カツレツ。
そのほかは和風ビーフステーキ、ジャーマンステーキ(ハンバーグ)、若鶏のカツレツの定番3種類。
「孤独のグルメ」に出たエビフライやオイスターチャウダーは夜限定。
そのうち誰か誘って夜の部に行って牡蠣の料理を食べ尽くそうと思っていたのですが、ぐずぐずしている間にもう牡蠣の季節が終わってしまったようです。残念。
さて、ネルソン風カツレツ。
発祥の地大阪では牛肉だったそうですがこの店ではなじみやすい豚ヒレがベース。これにたっぷりと乗せられたホワイトソースが上質で、いい調和を見せています。
その上にたっぷりかけられたデミグラスソースは穏やかな味。全体にほんわかとした上質な正統派ニッポンの洋食といった感じです。
そうそう、「孤独のグルメ」で井之頭五郎が驚いた、ソースポットに山盛りの漬物類ですが、高菜炒めがなくなっていました。放送後、意地汚いのがわんさか来て、大量に食っていったのでしょう。これもまた残念でした。
今度はぜひ夜に訪れ、いろんな料理を堪能してみたいものです。
みなさんもぜひ。
「平五郎」(虎ノ門・洋食)
https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130802/13215317/