あれ?こんなに具があったっけ?
ここに来るからにはカシミールカレーを、と頼んでみたら、鶏肉とジャガイモがゴロゴロ入っています。
不思議に思って帰宅後、昔の写真を見てみると、漆黒の液体から顔を出すのはほんのちょっとの何か。
振り返って、新しく撮った写真には大きめの鶏肉やジャガイモがたくさん顔を出していて、15年前といまとではまったく別のものに見えました。
昭和30年代から存在するこの店。
日本でのインドカレーの草分けとして知られてきましたが、いつの間にか変化していたようです。
たしかにいまやどんな田舎に行ってもインド料理店があるこのごろ、いくら日本発祥だとかオリジナルといってもさすがに具なしでは…という危機感が出てきたということでしょうか。
頼んだのはカシミールカレーのタンドリーセット。
カレー単品より700円以上も高いだけあって、別皿のセットは豪華です。
タンドリーチキンが4個に、小さな器にけっこうぎっしり詰め込まれたサラダ、それに大きな櫛切りのレモン。
鶏肉はふわふわに柔らかく、よくある表面カチカチの干からびたタンドリーチキンとは大違いで嬉しい。
ただ、カシミールカレーにも鶏肉の塊がいくつも入っていましたので、ちょっとかぶり気味ではありましたが。
一方、カシミールカレーの辛さは、昔とまったく変わりません。
最初の口当たりはむしろ甘さすら感じるのですが、すぐに暴力的な辛さが襲ってきます。やがて汗が吹き出し目のなかにまで。
しかしうま味も潜んでいますので、食べるのはやめられない。
ただ、ここまで辛いカレーを本場のインド人だってほとんどが食べないはず。
聞いた話では、「プティフ・ア・ラ・カンパーニュ」ですらインド人は辛すぎると言うのだとか。
そんなのを食って喜んでる日本人はよほどマゾヒスティックな国民なのかもしれません。
しかしやっぱりうまい。やめられないとまらない。
年を取ったせいか、以前よりも辛さへの耐性が落ちたような気がしますが、それでもたまにはやはり激辛に身体をひたし、汗を吹き出させる一種のデトックスが必要なようです。
上野広小路から西へ3分。
辛さの殿堂にみなさんもぜひ一度。
「デリー」(上野広小路・カレー)
https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13003605/