ほんとうにおいしい店だけのグルメガイド
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手前が「中華うどん」、奥が「尾道ラーメン」。

違うのは麺だけ。スープも具も、すべて同じです。

 かつ丼やオムライスなどのエピソードにもあるように、こういうメニューは、常連客からの要望で誕生することが多いのですが、店の女性に話を聞いてみるとこの「中華うどん」はそうではないようです。


しみず食堂


渡船の発着場があり、瀬戸内海に浮かぶたくさんの
島々への玄関口としての役割を果たしていた尾道。駅前は、鉄道と渡船を乗り継ぐたくさんの人々が行きかう場所でした。

 

しみず食堂


限られた時間のなかで、腹を満たしたいという要望を
尾道ラーメンは満たしていたのですが、それでもなお時間が足りない人がいる。わずか数分の待ち時間では、中華麺を茹でる時間さえ惜しい人々がいたのです。

そうした客が常連のなかにいることを知り、この店では、一計を案じます。

 

しみず食堂

一から茹でなければならない中華麺の代わりに、事前にゆで置きのできるうどんを使えば、劇的な早さで提供できる、と。

こうして中華うどんはうまれました。当初は「中華うどん」という名前はなく、急ぎの常連が来てラーメンを注文したらうどんを出すのです。

急いでる客は、そのまま文句を言わず食べました。そこには「あうんの呼吸があった」と言います。

注文ではなく、店の配慮として。しかし双方納得の上で誕生した「中華うどん」はやがてひとつの独立したメニューとして地位を確立し、今日にいたるのです。

 

しみず食堂

ただ、これも尾道だったからこそ可能だったこと。とくにこの店のスープはまったくの魚介系。やさしい味はむしろ和風であり、うどんに合わないはずがないというべきもの。これが臭いとんこつだったら吐くかもしれません。

具もかちっとしたチャーシューとメンマと青ネギといたってシンプル。うどんになるべくしてなった、と言っていいかもしれません。

しみず食堂


尾道水道に面した新しい建物の店は、朝9時から営業

 

しみず食堂

ラーメンやうどんのほかにも、冷蔵庫には稲荷ずしやちらし寿司、さらに地魚やタコの煮つけなど、様々な一品料理があり、食事も酒も楽しめるようになっています。

 

しみず食堂

夜が午後7時までと早いのが残念ですが、尾道の
人々が普段味わっているような料理を味わえるという点でも貴重な店だと言えそうです。

駅前が再開発によって変わり果て、かつての風情がなくなってしまったとはいえ、こうした形で昔ながらの暮らしを垣間見、味わうことができる貴重な店。

尾道に行くことがあれば、ぜひ一食はここで食べるべき店だと、強く強く推奨します。

 

 

 

「しみず食堂」(広島尾道・ラーメン/食堂)
https://tabelog.com/hiroshima/A3403/A340302/34002512/

みんみん(♂)とっておき!!支配人

福岡県生まれの九州男児。中学高校とブラスバンドに所属し、高校のブラスの先輩がタモリさんというのが数少ない自慢です。メディア関係の企業に就職し、転勤族だったため各地のおいしいお店を探して食べ歩きを始めたのがこのウェブサイトの原点。現在は、映像関係の会社を営んでいます。

店舗情報

店名 しみず食堂(広島尾道・ラーメン/食堂)
ジャンル 和食, 大衆食堂・定食, 麺・粉もの, そば・うどん, ラーメン
TEL 0848-23-5283
住所 尾道市東御所町60-8
しみず食堂(広島尾道・ラーメン/食堂)
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交通手段 尾道駅より徒歩3分
営業時間 10:00~19:00頃
定休日

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