牛の煮込みしかない店です。
しかも夜しか営業してないのに酒が一切ないという困った店です。
漫画「孤独のグルメ2」第7話の店。
牛の煮込み、というとみんなすぐモツ煮込みを想像しますが、この店の煮込みは内臓を一切使っていません。
スネなどの肉を長時間煮込み、こんにゃくなどとあわせたもの。
繊維がほぐれ、固形物はかなり消えてしまい、汁に浮いてる感じになりますが肉のうま味が溶け込んでいておいしい。酒なしでも人気なのがわかります。
この店があるのは駒沢公園のすぐそば。
田園都市線駒沢大学駅を出て246を西へ歩き、左に折れて駒沢公園入口方向へ。
公園入口を通りすぎ、3つ目の角を左折すれば煌々と輝く看板が迎えてくれます。
店内はカウンターのみ6席。
以前は9席あったそうですがコロナ禍で間引きされ、ゆったり座れるようになりました。
メニューは煮込みしかないので注文する必要もなく、席に着くとすぐに煮込みが出てきます。それからご飯の大中小を選び、余計にほしければお新香も頼める。
煮込みは一応「小」もあるようですが問答無用で「並」が出てきますので、どうしても「小」がいいなら引き戸を開けた瞬間に叫ぶしかないようです。まあ、並と言ってもそんなに量があるわけではありませんのでその必要はないと思いますが。
今回注文したのはご飯「並」とお新香。
ご飯はちょっと水分が多いものの、つやつやしておいしい。話では炊いたあとおひつに入れてあるそうで、煮込みのみのシンプルな店ゆえに手間をかけられるメリットを活かしています。
お新香も、大きめに切られた大根がおいしく、煮込みとご飯だけで飽きそうなところにいいアクセントになってくれます。これは頼むべきでしょう。
なぜか平らな、やや小さめの皿に盛られてくる煮込みは、あふれんばかり。
そして見た目と違ってやや薄味。
なので、七味唐辛子と共に卓上にある塩を使ってみるといいかもしれません。
硬めのこんにゃくと肉の塊など、ある程度大きな固形物を食べるとあとは繊維質のものと汁になるので、これを丼飯に投入。
七味大量投入でアクセントをつけます。
この煮込み丼のほうがうまいかも。
しかしなぜ酒を出さないか。
昔は普通の居酒屋だったそうですが、酔客が暴れるのに嫌気が差し、煮込み一本に賭けて食事のみの店にしたとのこと。よほど煮込みに自信があったのでしょう。おかげで回転もよくなり、材料のロスも激減して収益も上がったはずです。
今回、22時に着いたときに2席空いててすぐ座れましたが、22:30に出るときは6人ほどの行列ができてましたからやはり根強い人気を誇る店。
まあ夜に駒沢公園まで来て、酒も飲まずにもつ煮を食うのはよっぽどの覚悟がいるでしょうが、まあそれだけのおいしさはあると思います。
なお、この店のもつ煮はテイクアウトもあり。今回2人前を買って帰りましたが、量は店内よりも多い気がします。
ただ、タッパーウェアの料金も別途かかってきますので微妙なところでしょうか。
自分好みの味にアレンジできるのはいいと思います。
駅から10分以上歩く住宅地のなかの小さな店。よかったらぜひ行ってみてください。
「かっぱ」(駒沢大学・煮込み)
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131707/13006062/