あんみつなどに必ず入っている黒い豆。
表面は硬く、噛むとボロっと崩れて中はボソッとして粉っぽくて。
あれをおいしいと思ったことなどなく、むしろ邪魔な存在だと思ってきました。
ところが漫画「孤独のグルメ」に出たこの店の「豆かん」を食べて、黒い豆がこんなにうまいものであったのかと衝撃を受けました。
ふわっとして柔らかでほのかなうま味。
誇張でもお世辞でもなく、普段甘い物をほとんど食べない私ですらやみつきになりそうなほどのうまさです。
漆黒の豆は、よく見ると中心部に赤い光の点が見え、ルビーのよう。
光の加減によりますがその美しさに見とれてしまいます。
この豆は、北海道産の赤えんどう豆。
これまで興味がなかったので名前を初めて知りました。
5時間も煮ているそうです。
一方、寒天は臭みがまったくなし。
寒天でおいしいのは新宿・小滝橋の神田川沿いにある「讃岐屋」のものですが、その寒天に匹敵する質の高さ。もしかしたら「讃岐屋」のものかもしれません。
そして黒蜜は甘さ抑えめでさらっとしています。最後に底に残った黒蜜をすくってなめてみても、爽やかな甘さで口の中に残ったりしません。
まさに三位一体。
シンプルゆえにごまかしがきかず、3つの要素のどれが欠けても「おいしい」とはならない気がします。
さすが「豆かん」発祥の店。
12:30から19:00と営業時間も短く、小さな店ですが、ぜひこの「豆かん」は一度食べてみてください。衝撃を受けると思いますよ。
そのほか、あんみつやぜんざい、しるこなどもあり、持ち帰りもできますので。
「梅むら」(浅草・甘味)
https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13008698/