番組では三ノ輪になっていましたが、実際の場所はほぼ吉原でした。
「孤独のグルメ Season8」第12話の舞台となった、洋食&中華の店。
道一本挟んで向こうは遊郭の歴史を受け継ぐ大ソープ街です。
番組では洋中たくさんのメニューがあったのですが、行ってみるとそれはなくなっていて、1枚の紙に「五郎さんチョイス」と「久住さんチョイス」がデカデカと。
五郎さんチョイスがかつ丼 上、冷やし麻婆麺、餃子。久住さんチョイスがオムライスドライカレー(オムドラ)、あげワンタンと、それぞれ番組中に食べたものをピックアップ。
それ以外は、紙の余白を埋めるようにポークソテーとラーメン+半チャーハン、ざるつけ麺+半チャーハンが載るだけ。
あと、黒板にロースとんかつ定食やカキフライ定食などの揚げ物があるだけで、選択肢はぐんと狭まってしまっています。
まあ1年前の放送後に山のように客が押し寄せ、同じメニューばっかり注文したのでしょう。ほかのメニューのために材料を揃えていても無駄になるだけなのでやめちゃったということだろうと思います。
しかしそれは臨時の措置だったはず。それが1年たってもなお続けなければならないという【孤独のグルメ効果】恐るべしです。
前置きが長くなってしまいました。
頼んだのは「オムドラ」と「餃子」。
本編あとの「ふらっとQUSUMI」で原作者の久住昌之さんが「オムドラ」の味に感激し、マジ食いしてた様子が演技には見えませんでした。
15分ほど待って出てきた「オムドラ」は正直、見た目は地味。なんとなく素人っぽいというか。
しかし実際に食べるとこれがびっくり。やや粉っぽいながらコクがありしっかりとした辛さのあるカレーがまずうまく、薄焼き卵も外観に反して中がふんわり。
卵の下にあるご飯も色濃く炒められていて、濃い味のドライカレーとなっています。
かけられたカレーはキーマと呼ぶにはひき肉がまばらでしょぼく感じますが、この塩梅がいい。これでひき肉がゴロゴロしてたらバランスが崩れると思います。
これはたしかにおいしい。
私もマジ食いしてしまいました。
そして「餃子」。
どこからも遠い吉原くんだりまで来て一品だけで帰るのはもったいないと、同じく久住氏が食べた「揚げワンタン」と悩んだ末に選んだ「餃子」。正直、これはあんまり期待していませんでした。
ところが、みっちり詰まった餡にはたくさんの野菜と肉が。フレッシュでジューシーでおいしいのです。五郎さんチョイスに入っていただけはありました。
吉原はすべての駅から遠く、すぐ横を通るつくばエクスプレスもわざと駅を作らず素通りしてしまいました。需要というよりイメージの問題だったのでしょう。いまなお陸の孤島。
しかし帰りに見つけてしまいました。バス路線を。
都バス「上46」に上野松坂屋前、または銀座線稲荷町・田原町駅から乗り換え、浅草五丁目で降りればすぐです。
コロナ第3波のせいか、私が着いた13時頃はちょうどカップルが帰るところでほかに客はなし。
その後パラパラと増えて13時半にはほぼ満席になったとはいえ、行列ができることはありませんでした。
人気の店はいまこそ行くべきなのかもしれません。もちろん充分な予防をして。
「やよい」(浅草・洋食/中国料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13073525/