出てきたアジフライは、ふわふわでした。
普通、噛む瞬間にサクッという歯応えを感じるのがよい揚げ物ですが、このアジフライはサクッの前にふわっ。つまり衣が崩れる前に身のホロッと崩れるような柔らかさを感じるという珍しい食感です。
どうやったらこんな食感に揚がるんだ…。
普段スーパーでカチカチになったアジフライを買う身としては永遠の謎。醤油との相性もよく名物と謳うだけはある一品でした。
このアジフライと出会ったのは偶然でした。
久しぶりの代々木上原。
もともと小田急線とは縁がないのですが、最近、打ち合わせでときどき来るように。
めったに行かない街に行くときは、必ずなにかおいしいものが食べられないか入念にリサーチします。
おぉ、目的地近くに、とんかつの安くておいしい店が。しかも「醤油かつ丼」なるそそるメニューも。カツカレーも自慢らしい。う~んどっちにしよう、悩む…。
と、店にたどり着いたら臨時休業でした。
ぼーぜん。でも打ち合わせまで時間はない。
失意の底から顔を上げ、振り向いたら路地裏に2階建ての一軒家が。1階には提灯が下がり、和食の店をやってるようです。
見ると「名物・アジフライ」「海鮮納豆ネバネバ丼」このふたつがランチのウリ。ネバネバ丼に惹かれましたが、1,500円という値段と、これから打ち合わせなのに納豆とは…。
しょうがない、アジフライに。
こうして驚異のふわふわアジフライに出会ったのです。
アジフライは小ぶりの半身がふたつ。
つまり1匹分。量は少ないですが、このふわふわサクサクを味わってしまうと文句の言いようがありません。
アジフライに添えられてたのは「なめろう」。
ですが味噌の風味はほとんど感じられず、たたきと言ったほうが正しい感じ。でもおいしい。
味噌汁も具だくさんで風味よし。きれいにまとまった定食でした。
この店、もともとはランチをやっておらず最近始めたようす。ぜひ今度は夜に訪れて酒と魚を楽しみたいものです。
「鰾」と書いて「うきぶくろ」と読ませるなかなかの難読店名ですが、覚えておいて損はないことでしょう。
代々木上原でのランチにはぜひ。
「鰾」(代々木上原・鮮魚料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131811/13130853/