この味の謎が解けません。
西葛西「卍力(まんりき)」のスパイスラー麺。
「どこにもない味」と店が自慢する、このスパイスだらけの辛いスープ。
でもどっかで体験した気がする味。だけど思い出せないのです。
チベットだったか四川・成都だったかラオスだったかベトナムだったか…。
唐辛子の辛さをベースに八角などのスパイスが大量投入され、店の説明では14種類も使っているとか。
厨房ではあらかじめ練り込まれ粘土状になったスパイスの塊がタッパーに山積みされ、スープで溶かし込む形で仕上げられます。
最初に訪れたときに注文したのが「スパイス・特製ラー麺」(1,130円)。
オリジナルの「スパイス・ラー麺」より250円も高く、チャーシュー麺よりも50円高い。いったいどんな豪華な麺かと期待していたら、チャーシュー麺に味玉がついただけでした。
「パクチーが苦手な方はネギに代えられます」とあったのでどんだけカメムシ臭がキツいのかと思ったらモヤシの山のお飾りでした。
さっそくスープをひと口飲んでみると、覚悟してたほどは辛くない。しかし口の中で複雑な味が広がり、鼻に抜けていきます。カレーっぽい香りもありますからクミンにコリアンダーにターメリックは入ってる感じ。
しかし渾然一体となった味と香りは魅惑的。ついつい食べ進んでしまいます。中毒性がある感じで、我々の世代でいえば「包丁人味平」のブラックカレーのようなものでしょうか。
2回目に注文したのは「パクチーラー麺」(1,030円)に「肉切れっぱし」(100円)。
パクチーは期待通り小さな山盛り。これくらいないとスープのインパクトに勝てません。一層中毒性が増します。
そして「肉切れっぱし」が意外でした。
名前からしてチャーシューの端っこがグズグズの状態で入ってるんだろうなと思っていましたが見事に裏切られました。
ひと口大のバラ肉がスープのベースとなる醤油味で煮込まれていてほろほろでおいしい。しかもゴロゴロと量多し。
前回のチャーシューが冷めて脂が固まり、ラードとして食ってるような感じでいまいちだっただけに、この「角煮」がたった100円というのは驚きです。道理でみんな「肉切れっぱし」ばっかり頼むと思った…。
麺は中細の弱めの縮れ麺。弾力もあってスープを絡めとる感じがいい。
たしかにほかにはない独自路線のラーメンとして確立されたものを持っています。
インド人の街として知られ、周囲に有名なインド料理店があるなかでのスパイスラー麺。
西葛西に行く用事ができたとき、インドカレーよりも優先すべき店だと思います。(秋葉原に支店あり)
「卍力」(西葛西・ラーメン)
https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131305/13168253/