ここの餃子のうまさには本当にびっくりしました。
直前に、餃子で有名な別の店に行っていただけに、その差は歴然。けっこう飲み食いしてから来たことをものすごく後悔したほどです。
この日、久留米で商談があり、西鉄久留米駅までふらふらと帰っていた途中。ちょうど夕方になっていたのでどこかいい店はないかな、とスマホで探したのが1軒めの店。開店を待って店に入り、瓶ビールと餃子と焼き物をいくつか頼んで店を出ました。
せっかくなのでさらにラーメンか何か食べて帰ろうと思ってアーケード街を逆走していたところ妙にレトロなお店に行き当たります。そこはかとなく良さげなムードが漂ってきます。
見るとひと口餃子の店。久留米はとんこつラーメン発祥の街、あるいは人口当たりで焼鳥屋がいちばん多い街などと言われますが、実は餃子もかなりうまい街。「餃子は西に行くほど小さくなる法則」そのまま、小さなひとくち餃子で有名です。
すでに餃子は食べたけど、これもなにかの思し召しだと思い、店に入ると「ご予約は?」。
いえ、ひとりなんですけど…と言うと運よく10時までなら空いてます、と言われ座れました。
最初に頼んだのは手羽先2本。これがもう表面カリッカリでキツネ色に揚げられています。ひとくち頬張ると蒸気が噴出しそうな熱さながら、中はふわっと。表面には醤油をベースとしたたれの味が染みわたっていて、絶妙のうまさ。1本170円ながらこんなうまい手羽先、初めてか記憶にないぐらい久しぶりです。ビールを片手に思わず骨までしゃぶってしまいます。
そして出てきたひとくち餃子。ほんとに小さな餃子10個で430円と安くは感じませんが、ひとくち頬張るとびっくり。柔らかな餡からうま味が噴き出す感じ。ほんわかとした甘みと濃いうま味が素晴らしく、ビールを飲むのも忘れて食べ続けてしまいます。
見ると、中は火が通るか通らないかのしっとりした感じ。外側のパリっとした感触と中のしっとりさが、この小さな餃子で同居していることが驚きです。
もし前の店に行かずこの店に最初に来ていたらもっともっといろんな料理を楽しみたかった。
思わず「餃子の持ち帰りはできますか」と尋ねてしまい、4人前をお土産に持って帰ることになりました。
ただ、焼いてもらってのお土産はおいしかったものの、店のおいしさは到底再現できず。やはり「宝雲亭」同様、おいしい餃子は店で食べるもののようです。
もし福岡や佐賀に行くことがあったら、宿泊先を久留米にしてこの店に行ってはいかがでしょう。それほどおいしく、楽しめる店であると私は保証します。
ぜひ一度、行ってみてください。
「てん屋」(神保町・餃子)
https://tabelog.com/fukuoka/A4008/A400801/40009190/