小笠原の「食」は、実は弁当を抜きにして語ることはできません。
冬のザトウクジラ、春から秋のマッコウクジラを見るホエールウォッチング。
イルカと一緒に泳ぐドルフィンスイム。
この島にしかない貴重な固有の動植物を訪ねる森のツアー。
太平洋戦争の爪痕を探し、平和の貴さを学ぶ戦跡ツアー。
そして上の写真のように浜辺でのんびりと過ごすひととき…。
この島では、すべての観光において弁当が必需品。食生活の重要な一部分を占めているのです。
一泊二食付きの宿などでは弁当を頼めば作ってくれるところもありますが、ほとんどの場合にぎり飯+α。大自然のなかでのごはんを楽しむ意味でも、弁当はぜひいいものを選びたいものです。
この店「アイランド・デリ」は、島でいちばん豪華で洗練された弁当と惣菜を提供する店。ちょっとデパ地下っぽいおしゃれな弁当がウリです。
メインは幕の内風の「バランス弁当(750円)」と「ご馳走弁当」(850円)の2種類。
副菜(付け合わせ)の種類の違いで2種類の価格に別れますが基本的にメニューは同じ。カウンターに置かれた2~3種類のメインの惣菜からひとつを選べばごはんを詰めてできあがりです。
副菜は筑前煮や筍の煮物、さつまいもを煮たものなど煮物系の家庭料理が多く、ほっとする感じでしょうか。揚げ物が好みならば別売りでコロッケやメンチカツがありますのでそちらを加えるのがいいでしょう。
そのほかにも「おにぎり弁当」や日替わりの丼などもありますが、コストパフォーマンス(価格性能比)と栄養バランスからすると「バランス」「ご馳走」のふたつがおすすめです。
ホエールウォッチングなどのツアーの昼食として買うのなら、前日に予約しておいて朝取りに行く必要がありますが、島にある2軒だけのスーパーのうちの1軒“生協”にも朝から置いてありますので、予約を忘れた場合や朝ごはんとして食べたい場合にはこちらでの購入が便利でしょう。
また惣菜だけでの購入もできますから、素泊まりの宿での夕食としてもグッドチョイス。ただし夜7時までの営業ですのでお早めに。
昨夏は、帰りのおがさわら丸で食べるためにここの惣菜「治部煮」を買って乗りました。
しっとりと炊かれた蕪が鶏肉のうま味をしっかりと含んでいて、無味乾燥になりがちな船内の食事に潤いをもたらしてくれました。
ちょっと高めのお値段ではありますが、島での様々なシチュエーションで役に立つ弁当の店として、覚えておいて決して損はない店です。
「アイランド・デリ」(小笠原諸島父島・弁当総菜)
https://tabelog.com/tokyo/A1331/A133102/13129358/