鳥皮1本 30円。
いくら物価が低い福岡にあってもこの価格で出す焼鳥屋はもうほかにないでしょう。
たしかにペラペラが3枚だけですが、カリッとして甘めのタレが効いておいしい。なにしろ10本食べても300円ですし。
大昔から高架だった西鉄平尾駅。鉄製の橋げたのゴーっという騒音が鳴り響く、線路脇の古い焼鳥屋です。
煤と油で真っ黒になった店内には崩れかけの焼き台を取り囲んでコの字形のカウンターがあり、高齢のご主人がひとり黙々と焼き、煙モクモクで視界が霞みます。
まず最初にノートを渡され注文は鉛筆で書いて渡すようにと言われます。(追加注文は口頭でOK)
ほかの焼鳥も砂ずり70円、鳥肝80円と30年前価格。
この鳥肝がデカかった。串の先にハツがつき、親指より太くレバーが串刺しになっています。片面焦げちゃっていますが、タレが香ばしくなっていてこれもまたよし。
最近生焼けで提供するのが流行りとなっていますが、カンピロバクターのリスクを考えるとよほどの店でないと生は怖いものです。
さっき寸胴でゆでてた豚足は、じっくり焼いたごっつい塊が250円。かぶりつき、骨をかじってむさぼり食う快感は代わるものがありません。
さらに焼酎5合瓶のキープが1,000円とこれもまたあり得ない安さ。見たことのないラベルですが、思わず頼みそうになってしまいます。
串9本に豚足、生ビールに酎ハイで2,120円。場末感満載の焼鳥屋ですが、客層が悪いわけでもなく、雰囲気も味も素敵な店でした。ノスタルジーを満喫しに、ぜひ。
「焼鳥 長者」
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40005893/