「自然薯」って、けっこう人を惑わす名前です。
どのくらい惑わすか?
「天然鯛焼き」くらいでしょうか。
イメージとして自然薯は、野生のもの。
山あいの村に観光に行った際に、道端で売られている特産品で、おじいさんがわざわざ深い山に分け入り、1m以上も穴を掘ってやっと収穫した貴重品。だから粘りも特に強烈だし、高くてもしょうがない…。
そう思いますよね?
でもね、いま自然薯として流通するものの多くは栽培されているもの。
しかも塩ビのパイプのなかに根を張るので収穫もスポッと楽チンだとか。
でも栽培されても「自然薯」。品種名なのですから。
またの名を「ヤマノイモ」というこのイモ。「ナガイモ」とは似て非なるもので日本原産なのだそうです。
さて、前置きが長くなりすぎました。
四谷三丁目にあるこの店は自然薯を売りにする小さな店。
「飲める定食屋」を標榜している通り、自然薯のとろろつきの定食を基本に、夜はいろんなおつまみを揃えています。
ただ、実はこの日、別の店に行く予定でした。
同じビルの同じフロアにある欧風カレーの店。
「ボンディ」の流れを汲むとのことで期待して行ったのですが、なんと店内営業をやめ、すべてデリバリーとテイクアウト専業に転換していました。臨時でしょうが、大胆です。
そこで外から見たときに「じねんじょとろろ」と窓に大書きされていたこの店にチェンジ。
ランチメニューは問答無用でとろろ飯。
それにいろいろおかずが選べるスタイルで、唐揚げ、豚の生姜焼き、骨付き鶏、鯖の塩焼きなどが選べて1,000円。
選んだのは鯖の塩焼きでした。
小さな店内は満席で、どうやら人気は豚の生姜焼き。先に注文した分が一気に出来上がって提供されていきます。
待つこと20分。ようやく出てきた鯖はカリッと焼かれ、なかはふっくら。
身も厚く脂もまあまあ乗っててなかなかいい鯖です。
出汁で伸ばしたとろろはやや粘度が弱いような気がするものの、味はよし。
大盛りご飯の半分をまず鯖で食べて、残りでとろろ飯を掻き込んで正解でした。
卯の花もしっとりしておいしく、味噌汁も丁寧な仕事ぶりでいい。
近隣の男女ビジネスパーソンに愛されてる理由がよくわかりました。
普通においしい、ということの大切さをあらためて感じさせてくれる店でした。
ここは、本気でちょくちょく行こうと思います。次は豚の生姜焼きかな?
みなさんもホッとしたい時にはぜひ。
「シャルク」(四谷三丁目・居酒屋)
https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130903/13210735/