多くの少数民族を抱えるミャンマーの、シャン族の代表的な麺料理「カウスェ」。
その牛ハチノス入りの豪華版です。
麺はベトナムのフォーとよく似た米の麺。
スープは鶏がメインでコクがあり、辣油が浮かんでまあまあ辛い。
野菜は白菜などが刻んで乗せられ、ほかに鶏のミンチなどが浮かんで具沢山。
牛モツもまたいい味を出しています。
フォーが基本的にあっさりなのに対し、これはけっこう濃い味。それがうまいのです。
この店は「孤独のグルメSeason6」第6話の舞台となった店。しかし私にとってこの店は、10年以上前に一度行って、もう二度と行くもんかと思った店でもありました。
昆虫食を出すからではありません。
当時の私には理解不能の料理が出たからなのです。
それは「豆腐カウスェ」。
ひとことで言うと、麺入り茶碗蒸し。丼を満たした黄色の塊をほじくると中から麺が出てきます。
実際は茶碗蒸しではなくて非常に粘度の高いスープだそうですが、引っ張り上げた麺に大量にまとわりつくその姿は当時の私にとっては衝撃でした。
それが一種のトラウマとなり、「孤独のグルメ」の舞台となろうとも足が遠のいてきたのです。
しかし今回意を決して訪れてみて、きちんとした味であることを知りました。
もうひとつ、ビールのあてに頼んだのが「孤独のグルメ」で井之頭五郎が食べた「お肉とお米の皮無しソーセージ」。
豚肉と米を蒸して固めたものですが、ソーセージというよりつくねっぽい。
ほろっと崩れる感じで、味は尖ったところがなく、若干魚肉ソーセージっぽくて懐かしくなるような味でした。
もともと「ミンガラバー」にもよく行くなど、ミャンマー料理には馴染みがありますから、今回特別にエスニック体験をした訳ではないですが、やはりこの国の料理はベトナムに次ぐくらいに日本人の味覚に合うと再認識しました。
店のある場所の半端ない場末感も、緑一色(みどりいっしょく)の店内など怯んでしまうのもわかりますが、ぜひ一度訪れてこのユニークな味を体験してみてください。
「ノング インレイ」(高田馬場・ミャンマー料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13009115/