ドーサって、ナンのように分厚いのかと思い込んでいました。
なので「孤独のグルメ Season8」第9話で、井之頭五郎がドーサのあとにミールス(定食)を食べるのを見てあ然とし、今回実際にドーサも頼むかどうか悩んでいたのです。
ところが実際に食べてみるとサクッと軽い。クルチャのように分厚いわけでも具が多いわけでもない。「南インドのクレープ」と言われている理由がわかりました。
ほのかなニンニクの香りとチーズの豊かな風味が相まっておいしく、サクサクっとした歯触りに合っています。これはまたぜひ食べたい一品 でした。
この店があるのは(広義の)御茶ノ水。
かつて映画「私をスキーに連れてって」をきっかけにスキーが爆発的なブームとなったころ、この御茶ノ水一帯にはスキーショップが密集していました。
なかでも「ヴィクトリア」は靖国通り沿いにいくつもの巨大店舗を擁し、まさに「ヴィクトリア帝国」の様相を呈していました。
それから約30年。スキーブームは去り、わずかに残ったヴィクトリアの本店の横にひっそりと「南インド料理」の看板を掲げているのがこの店です。
さて、ドーサに満足したあとに私がメインに選んだのは「海老カレーバナナの葉包み」。
井之頭五郎が、ミールスのあとにさらに追加して食べたあのカレーです。
巾着のようになった緑の葉っぱを開くと、顔を出すのはオレンジ色のカレー。
これが甘くて辛くてその塩梅が絶妙です。海老から出てるのか、独特のうま味もあって魅入られたように食べてしまいます。
具は海老だけですが、中ぐらいの大きさのものがけっこうな数入ってて飽きることがありません。これはおいしい。
長粒種のなかでも細長く、一見、虫にも見えそうなバスマティライスもふっくらと炊かれて香りがよく、カレーも余計に吸い込まず、抜群の相性でした。
他にもたくさんのカレーがあるのですがミールス(定食)をメインに据えているだけあって、客の回転も早く「食堂」といった雰囲気。
内装もシンプルです。
けっこう普段づかいしたくなるとても素敵なお店でした。
なお、これらのメニューの提供は夜か土日のランチのみ。
ご注意を。
すぐ横にカレー激戦区の神保町があるなかで、南インドの独自のカレーで存在感を発揮するこの店。
現地の言葉で「幸せ」を意味する「SANTOSHAM」の名の通り、周囲に幸せの笑顔を広めて行ってほしいものですね。
「三燈舎」(小川町・南インド料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13234867/