中華料理屋でかつ丼ってどうよ?
かつ丼のキモは出汁。
玉ねぎを煮込んで味を染み込ませ、溶き卵と一体化してカツを包み込む。この味が決め手なのです。
蕎麦屋のつゆがかつ丼と親和性が高いのは理解できますが、中華のスープがかつ丼にできるとは思えません。
しかしこれまで2回訪れてニッポンの中華としての実力は知っています。
ならばネットで評判のいいかつ丼も、もしかしたら…。
出てきたかつ丼は卵たっぷりカツ薄め。
なかなかいいルックスです。
カツが薄いのはいいんです。逆にカツが厚くて大きすぎて食べるのが大変な清水屋の「上かつ重」のような例もありますから。
そのカツは揚げたて。注文する際に「いまから揚げますので15分ほどお時間かかり
ますけど」と尋ねられました。
とじるときに熱が加わるため、カツは作り置きでもいいのですが、専門店でないにも関わらずこのこだわり。(まあ、作り置きするほど注文がないのかもしれませんが)
とじられてなおサクっとした食感が嬉しいカツに、玉ねぎもクタっとしてよく味が染みてます。違和感がない。中華っぽさがなく普通の出汁のよう。これはびっくりです。
850円ならこれはコスパよし。また食べに来たいと思います。
ほかにも自慢の「レバ焼きライス」はこってりした味が豚レバーに合っていてご飯が進みます。
ちょっと異色の「マーボー豆腐ラーメン」はちょいピリ辛で意外にもおいしい。
これで600円なら誰も文句は言わないでしょう。
しかしまあ、東京の人ってどうしてこう酢が好きなんでしょうか。
店があるのは、タワーマンションを中心にした再開発エリア「富久クロス」のすぐ横。
この富久クロスの場所はバブル時代に地上げが横行し、虫食い状態になったあとでバブルが崩壊して20年に渡って放置されてきました。
この店はかつてこのエリアにあって地上げに負けず営業を続け、再開発とともに隣接地に移転したとのこと。
なので建物は新しいのですが、中身は立派な歴史あるニッポンの中華。
これからもたくさんの常連に支えられ、ずっとこの味が続いていくことでしょう。
「天宮」(新宿御苑前・中国料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130402/13066066/