金目鯛のスープはやっぱり苦味があります。
ただ、それは最初にちょっと感じるだけのこと。濃厚なうま味と独特の香りは鯛に似て、やはり日本人がこの魚に「鯛」の名をつけた理由がわかる気がします。
ラーメンのスープとしておいしいのですが、曙橋の鯛塩ラーメン「灯花」と同様、楽しみは残ったスープで食べるお茶漬け(200円)。
小さなお茶碗に、仏様にあげるかのようにこんもり盛られたご飯。その上にラーメンのスープを注ぎお茶漬けのようにして食べるのですが、最初からご飯の底には透明なスープがひたされています。
聞くと「ハマグリのだし」とのこと。
蛤のスープなんて高級ですから、どんな味かラーメンのスープを注ぐ前に単独での味を確かめようとしましたが味はほとんどわかりませんでした。
そしてラーメンのスープを投入。
ねこま…いや、立派な出汁茶漬けの完成です。
とくにおいしかったのは、ご飯に乗ってたサイコロ状の金目鯛の切り身でした。軽く炙られたこの白身のおいしいこと。この炙った金目鯛の切り身だけ別に出してほしいと思うほどです。
話は前後してラーメン(800円)を振り返ってみると麺は中細の縮れ麺。鹹水少なめで全粒粉の小麦の素性を前に押し出した感じでしょうか。
チャーシューは肩ロースを低温調理したローストポーク風のもの。最近この低温調理でチャーシューを作る店が増えてきましたが、仕上がりがしっとりとなることに加え、誰が作っても失敗しないメリットが大きい。
温度は機械が0.1℃単位で厳密に管理してくれますので、時間さえ守れば必ず同じ仕上がりになるのですから。
鯛があり、トビウオがきて金目鯛。ハマグリも南房総にありましたし、魚介スープの探究はどこまで続くのでしょうか。
率直に言うと私の好みはすぐ裏にある「たかはし」(トビウオ)ですが、これはこれで高い水準でまとまっています。
歌舞伎町でお昼に迷ったらひとつの選択肢として覚えておくといいでしょう。
「らぁ麺 鳳仙花」(新宿歌舞伎町・ラーメン)
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13224521/