上の写真は「オリジナルハンバーグ」(1,300円)。
ランチタイムはライス・スープつきで、まあちょっと観光地価格ですが、味はなかなかのもの。
玉ネギや、パン粉・卵などのつなぎもあまり入っていないようで、肉の味がストレートに感じられます。ソースがパスタ用のミートソースのような味なのはちょっと違和感があるものの、熱した鉄板で提供したり目玉焼きがついたりする演出もよく、楽しみながら味わうことができます。
この店は、小笠原諸島で唯一のまともな洋食を出す店、と言っていいでしょうか。外観もアメリカ風でデッキ席があるなど店内も広くゆったりしています。
そのため、島民にはファミリーレストラン代わりに使われているようで、「おがさわら丸」が島にいない期間、つまり観光客のいない期間のほうがむしろにぎわっているように見えます。
とくにおいしかったのは、夜のメニューの「メカジキの竜田揚げ タルタル」(800円)。
この島の水揚げの6割を占めるメカジキは意外に調理が難しいようで、普通にソテーするとパサパサ感があり、かといって煮込むと脂のねっとり感がしつこく感じられてしまいます。
この竜田揚げは、甘辛い下味のつけ方が絶妙で、揚げた身との味の調和がよくとれています。何もつけずに食べるのがいちばんバランスが良く、タルタルソースは不要。とにかくこの一品だけあれば酒もご飯も進むことうけあいでしょう。
ユニークなメニューでは「島ずしコロッケ」(600円)。
これはサワラのヅケを乗せた握りずしの「島寿司」をそのまま揚げたものということで、”解剖”してみても本当に握りずしに衣をつけて揚げただけのもの。
何の芸もないというか、身も蓋もないというか、さらにソースに青のりに紅生姜でお好み焼き風に味付けしているところがユニークと言えばユニークですが正直、理解に苦しむ部分が大きいメニューです。
そのほかシカクマメなどを使った「島野菜の天ぷら」、島特産の、ライムのような味の甘いレモンを使った「島レモンサワー」などを揃えるなど、小笠原の食材をふんだんに取り入れて提供しようという姿勢には好感が持てます。
店内には鉄板焼きのカウンターもあり、ステーキなどちょっと値の張る肉料理なども楽しめるほか、バーとして、居酒屋としても楽しめるスペースやメニューもそろっていて、それぞれに使い勝手のいい空間となっています。
向かいにある炉端焼きの店「茶里亭」とは同じ経営で、客の多寡によってスタッフを融通しているらしく「茶里亭」のシャツを着た店員がいたりするのはまああっけらかんとした島の雰囲気ならではでしょうか。
繰り返しになりますが、島民にとってファミレス代わり、また観光客にとっては高級鉄板焼きの店であったり、バーであったり居酒屋であったりと多様な使い方のできる店。
営業している日がそんなに多くないのが玉に傷ですが、長期滞在の時などに利用してみれば、その良さがわかるのではないかと思います。
機会があれば、ぜひ。
「チャーリーブラウン」(小笠原諸島父島・洋食)
https://tabelog.com/tokyo/A1331/A133102/13121447/