豚足がどーんと1個、麺の上に乗って出てきました。
ベトナム中部の古都・フエの名物「ブン・ボー・フエ」(890円)なのですが、現地で食べたものにはこんなものは乗っていませんでした。しかし食べてみるとおいしい。豚足が入ったことによるうま味でしょうか。
麺は米の麺ですが、細めのうどんといった感じで量はけっこう多め。ちゅるん、って感じの舌触りで、切れ方もプチンって感じ。パスタにさらに弾力をつけたかのようで快感です。
スープは澄んだだしに辣油が乗ったもの。ブン・ボー・フエはたしかに辛い麺と言われますが、私が発祥の店で食べたのはそんなに辛くはありませんでした。ベトナム人は辛さに弱いので、もしかしたら日本人向けのアレンジかもしれませんが、けっこうこのスープはおいしく感じました。
豚足のほかにベトナム風のハムが2切れと、牛肉の薄切りが1枚。なかなかのサービスぶりです。
ランチはさらにプラス150円でセットに。今回は生春巻きとサラダにデザートがつきます。
サラダは、ベトナムでは麺に必ずついてくる野菜山盛り。麺をすすりながら葉っぱをむしゃむしゃと食べるのがベトナム風。水菜やサニーレタスなどと、本場のものとは違いますが、柑橘を絞って食べるところは一緒で、現地の気分が味わえます。
生春巻きは、具材が蒸し鶏。きっちりと閉じられてて野菜たっぷり。なかなかの食べ応えです。
デザートは、ベトナム風スイーツ。トウモロコシや豆など、自然な甘さを持つ穀類に寒天を加え、ココナッツミルクで甘さを加える形。ヘルシーな感じです。
全体にサービス精神が旺盛で量も多く、満足感が高いランチメニューとなっています。
しかしこの店、3年ほど前にできたのですが当時は夫婦で切り盛りしていました。調理をベトナム人女性が担当し、サービスを日本人の夫が担当するという形。
それが今回、調理はベトナム人男性2人にサービスもベトナム人の若い男性に。店名や店の内装など一切変わっていないので経営が変わったかどうかはわかりませんが、ちょっと気になります。
以前食べたのがこれ。
「牛すじ煮込みのブン」。ブンとは米でできた冷や麦で、きしめん状のフォーが北部中心であるのに対し、ブンは南部と中部が中心。むしろブンの方がポピュラーですらあります。
トロトロに煮込まれた牛すじがいい味を出していて、あっさりしながらもコクがあります。
このときはセットに揚げ春巻きがついてきました。個人的には揚げ春巻きのほうが好きです。
また、「厚揚げのブン」も食べたことがあります。
厚揚げというより油揚げといった感じですが、トマトベースの酸味のあるスープが特徴で、これもおいしく食べられました。
また、単品で頼んだ揚げ春巻きもカリッと硬めに揚げられていて私の好みでした。午後2時以降になると、ここではレギュラーメニューが注文できますから遅いランチはお勧めです。
最近、ベトナム人の人口が急激に増え、「リトルサイゴン」と化しつつある高田馬場。とくに駅の反対、西側の坂を上った先の一帯はベトナムのサンドイッチであるバインミーの店が乱立しているほど。
この店でも客のほとんどはベトナムから来た研修生や学生で、けっこうにぎわっています。ベトナムから離れた若者たちが来るのですから現地の味に近いのでしょう。
よかったら一度、訪れてみてください。現地っぽいことはベトナム渡航歴6回の私が保証しますから。
「ベトバル」(西早稲田・ベトナム料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13167071/