ここのホタテフライのおいしさにノックアウトされました。
衣が軽くてサクッサクなのは言うまでもなく、中がしっとり。よく、ホタテを加熱するとパサッパサになって繊維質になり、歯に引っかかる不快さだけが気になることがありますが、ここのホタテは一切そういうことがありません。もともとの品質の高さと、適度な加熱がそのおいしさを見事に引き出しています。
しかも子どもの握りこぶしくらいある大きさで肉厚。それが3つもついてきます。
また、タルタルソースもおいしい。くどさがなく、甘さも控えめですっぱさが絶妙。基本的にタルタルソースは好きではないのですが、これなら全部につけてもいいかも。
今回頼んだのは「鯛と帆立のミックスフライ(1,500円・サラダ&ライスつき)」でしたが、鯛のフライもまたおいしかった。
ほくほくした身は、加熱した鯛の身独特の苦みがあり、ちゃんとした鯛を食べている実感があります。身も厚く、しっかりした食べ応え。テーブルには醤油も置いてあり、客の好みに応える細やかな配慮が嬉しく感じられます。
場所は、池袋西口の繁華街の隅っこ。いかにも時代を感じさせる外観の「ロサビル」にあります。
外観にはコック姿が描かれ、いかにも歴史を感じさせる雰囲気。店内はU字型のカウンターに13席の丸椅子が並べられ、片隅に小さめの厨房があります。
料理人は年配の男性が3人、ホール係は年配の女性。ややそっけない対応ではありますが、決して悪い対応ではありません。
この店でほかに食べたのは「ポークソテー」(1,200円)
厚めの豚ロースにマッシュルームや玉ねぎなどをからめたソースがかけられていて濃厚な味わい。ご飯が進む一品です。
また、カキフライもオーソドックスながら大きめの牡蠣が4個。さくっさくの衣がおいしく、不足を感じません。
実は上のふたつはだいぶ前に食べたのですが、今回のホタテフライほどの感動はありませんでした。
というのもこの店は水が恐ろしくまずかったのです。たぶんビルの古さが原因だと思うのですが、お冷を口に含むと吐きたくなるほど苦かった。この水のまずさが料理に響かないのか気になってましたが、当時は直接的に味が影響しているようには感じませんでした。
ところが今回、水がうまくなり、料理からも感動を受けました。
そういえば前回来たときに、ビルの配管の工事をするのでちょっと休業すると言ってたのを思い出しました。水が変わったことで料理の水準もひそかに上がったのかもしれません。
ニッポンの洋食らしく、平らな皿に盛られたご飯と、お椀に盛られた味噌汁もよし。しかもフォークとナイフで味噌汁を飲めというのがキュートです。
こういう古き良きニッポンの洋食はもともと大好きなのですが、池袋にもまた素晴らしい店があることを知り、嬉しくなってしまいました。
そうそう、ここの日替わりランチは750円でけっこう大きなハンバーグが出てきたりして非常にお得です。まずは日替わりランチでお試ししてみてはいかがでしょう。
いつまでも残っていてほしい、いいお店です。ぜひ。
「キッチンチェック」(池袋・洋食)
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130501/13003941/