もうずいぶん前、たしか6、7年前にできた店なのですが、開店直後に一度行ったっきりになってました。
おいしくなかったからではありません。むしろかなりおいしかった。でも、わざわざもつ鍋を食べに行く機会がなかったことと、表通りから奥まった場所に入り口があり、しかも地下にある店ということでなかなか足が向かなかったのです。
しかし今回、久しぶりに行ってみてこの店の実力をあらためて知りました。これだけおいしいものを出す店がなぜあまり繁盛していないのか,不思議なほどです。
まず最初に頼んだのが「馬レバー刺し」(小699円)、なぜ馬のレバ刺しが良くて牛のレバ刺しがほぼ全面禁止なのか、その理由を厚生労働省に合理的に説明してほしいものですが、とにかくこの店の馬のレバ刺しは絶品。
表面を軽くあぶったものを薄切りにしてあるのですが、漆黒に光るひと切れひと切れがぷるんっぷるん。塩を入れたたっぷりのごま油にひたして食べると極楽です。すりおろしたニンニクもついていて「ああ、レバ刺しってこんなにおいしかったよなぁ」と感涙にむせびそうになります。「羹に懲りてなますを吹く」かのような厚生労働省の規制を恨むとともに、馬までが規制にならないことを祈るばかりです。
また一緒に頼んだ「ごまさば」(699円)。鯖の刺身をごま醤油であえた博多名物ですが、博多近辺の鯖には寄生虫アニサキスがいないのに対し、ほかの海で揚がった鯖にはアニサキスがいる可能性がありますから、東京で食べるときには注意が必要。とはいえ、この「ごまさば」を東京で味わえるのは嬉しいものです。
そしてもつ鍋(1,299円)。キャベツにニラにもやしに揚げだし豆腐、そして特徴的なのがごぼう。
もつは透明でぷるっぷるで弾力があり、噛めば噛むほどうま味があふれ出てくる感じ。白みそベースのほんのり甘いスープとの相性が抜群で、これにごぼうが非常にいい味を出してきています。これに唐辛子がいいアクセントとなってこれはかなりおいしい。東京でこれだけおいしいもつ鍋を出す店はそうないんじゃないかと思えます。
2人でまず2人前を頼み、あまりのおいしさにすぐなくなったところに1人前を追加。もとのスープに具を追加する形にしてもらったので、スープのうま味が深まります。
そして〆のちゃんぽん麵を投入。このちゃんぽん麺も柔らかくておいしく、最後の一本まで存分に楽しめました。
今回はセールということでハイボールやサワーなどが1杯99円と激安でしたが、そのぶんついついがぶ飲みしてお会計は合計およそ8,400円。レシートを見ると、しらすおろしのお通しが399円とちょっと高めでしたが、馬のレバ刺しもごまさばも頼んじゃったんだからまあ妥当な値段なのでしょう。お腹いっぱいになったし。
先に書いたように、入り口が早稲田通りから脇に入る細い道を7mほど行った場所。しかも地下の店ということで非常に無理な条件ではありますが、このもつ鍋のおいしさは特筆もの。
これから夏本番ですが、鍋なんてという前にぜひ一度、騙されたと思って食べてみてください。このおいしさには虜になりますから。
「もつ真路」(高田馬場・もつ鍋)
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13122237/