あふれんばかりの、うに。
2001年に東京に戻ってから渋谷は重点的に食べ歩いてきた街ですが、それでもこの店を見落としていた、食べ損ねていたなんて、恥ずかしい限りです。
渋谷マークシティの東西の棟の間を走る細い道。京王井の頭線渋谷駅の西口改札を出てすぐ北にある古びたビルの2階。なかなか入りづらい店構えです。
店内は狭くて細長く、奥のテーブル席もけっこう詰め込まれた感じ。カウンター席は後ろ(画面で言う左)にトイレがあり、ひっきりなしに後ろを人が通るためなかなか居心地がいいとは言えません。
それでもこの店の魚を食べれば、そんな不平不満も消え去ります。
「しめさば」の締め方は限りなく浅く、味も身の色も限りなく生に近くて500円台。
丁寧に刻まれたホヤは、特有のアンモニア臭もなく、その複雑な味のなかでも甘じょっぱさがきいておいしい。渋い酒の肴です。
そしてこぼれんばかりの「生うにてんこ盛」は、わかめが台座になっているとはいえけっこうな量があり、それで700円台なのですから誰が文句を言いましょうか。
もちろん焼き魚もあって、「トロさば塩焼」が500円弱。
「いかさつま揚げ」も500円ちょっとでこんなに大きいのが出てきますから、すごく得した気分です。
また貝類では「はまぐり酒蒸し」もあり、そのスープのうまさはたまりません。
全体的に、肴の中心価格が500円台で、安いのは「いかげそ焼」が300円台、高くても「生うにてんこ盛」で800円弱ですからその安さがわかろうというもの。渋谷の真ん中とは思えない価格です。
魚に関しては何を食べても新鮮でおいしく、かつ値段も手ごろというのが素晴らしい店。
渋谷で連れが「魚が食べたい」と言い出したらまず真っ先に引っ張っていき。とくに「生うにてんこ盛」を見せてどんな顔をするかを観察したい気がします。
みなさんもよかったらぜひ。
「魚蔵居」(渋谷・鮮魚料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13014449/