【道を挟んだ向かい側に移転しています】
また一段とスープがおいしくなっていました。
会津地鶏を採用してから2回目になるのですが、やはり雑味がなくなり、鶏のうま味と醤油のうま味がいい具合にとけあって研ぎ澄まされた感じ。良質な鶏の脂はここまできれいな味がするのかとただただ驚くばかりです。
麺もどっしりとしています。国産小麦を水分量多く打ったのでしょう。しっかりと受け止めてから返すような腰があり、どっしりとした“重さ”ゆえに食べ応えもあります。スープとのなじみもよく、鶏のうま味を染み込ませるというか、身にまとって口の中に来る感じです。
丼の直径が小さく、しかも円錐形にすぼまっているために一見量が少ないように感じますが、実際は丼に深さがあるため、スープも麺も足りないということはありません。替え玉(100円)もありますが、博多ラーメンとは麺の量が違いますからよほど大食漢かお腹が空いてないといらないかもしれません。ただ、珠玉のスープを最後まで麺と一緒に味わう、という点ではいいかもしれませんが。
今回、「鶏ワンタンそば」(1,030円)を初めて食べてみたのですが、具がたっぷりのワンタンが3つも入っていました。皮が水ようかんのようにぷるんっとして非常にいい食感です。また、鶏もも肉が主という具もあっさりしていて、スープの邪魔をしません。これはいいワンタンです。
また豚肉のチャーシューはローストポークのような香りがし、鶏肉のチャーシューはスティック状で醤油の風味がうまく染み込んでいます。シナチクも繊維が切りにくいものの縦方向にはやわらかく、臭みもありません。すべてが上質であり、スープの邪魔をしないように計算されているかのようです。
琥珀色の美しいスープがすべてであり、麺も具もそれに合わせて選ばれた感のある珠玉の一杯です。
この店があるのは西早稲田。早稲田通りが明治通りと交差する馬場口の交差点から東に500mほど行った場所。山手線高田馬場から12分、東西線早稲田駅からも10分、副都心線西早稲田駅から7分ほど。さらにバス停からも遠く、けっこう不便な場所にあります。
しかしコの字型のカウンターに12人ほどの店内は昼時には必ずあふれ、長い行列ができています。今回、1時過ぎに店に到着してから並んだのは20分ほど。着席してからさらに15分ほど待ちましたから忍耐が必要です。
さて、この店はサイドメニューもなかなかのもの。
ローストポーク丼は通常300円がランチタイムは250円。
小盛りのご飯の上にたっぷりの薄切りローストポークが乗っています。胡椒の香りがローストポークのうま味を引き立たせ、ご飯と一緒にかきこむとその柔らかい食感が存分に堪能できます。これを丼いっぱい食べてみたい、そういう衝動にかられそうです。
これまで数々の栄誉に輝き、惜しみない賛辞を贈られてきた店ですが、さらに一歩進化したスープをぜひ、味わってみてください。
「らぁ麺 やまぐち」(西早稲田・ラーメン)
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130504/13151200/