べにとかげ、と読む店の「辣炒飯(ラーチャーハン)」(950円)です。
見た目は普通の炒飯ですが、あまりの辛さに「炒飯をつまみに酒が飲めそう」なほど。
「通好みのピリカラ味です」と書いてあったので頼んだのですが…。
出てきたものはピリ辛どころじゃなく、口の中が痺れるほどの辛さでした。
しかもただでさえ辛いのに、刻んだ唐辛子まで乗っける徹底ぶり。
卵もきっちりと入っていてパラパラのご飯もおいしいのですが、これだけをひとりで全部食え、と言われたら食べきる自信はありません。すごい炒飯があったものです。
おいしかったのは「エビマヨネーズ」(1,490円)。
ややマヨネーズが甘くどっぺりした味ではありましたが、大きめのエビがぷりっぷりなのが高得点。量もふたりで分けあってちょうどいいくらいあって満足度高し、でした。
この店があるのは、田園都市線桜新町。
駅から渋谷に戻る方向に歩いて8分ほどの場所にぽつんとある小さな店です。
店頭にはその名の通り大きなトカゲが待ち構え、一瞬怯ませる迫力がありますが、一歩足を踏み入れると古いながらも温かいオレンジ色の内装が。
ただ、壁一面の毛沢東がちょっと不気味です。
タイ料理店でプミポン国王夫妻の写真が飾ってるのはよく見ましたが、毛沢東の肖像やポスターがここまでたくさん貼られている中国料理店は初めてです。
なかには「最後の晩餐」の明らかなパロディーも。
中華人民共和国の建国に大きな役割を果たした一方で、大躍進政策で数千万人の餓死者を出し、文化大革命で数千万人もの犠牲者を出したと言われ、功罪についていまだ論議のある毛沢東をここまで前面に出すこの店のバックボーンはなんなのか、ちょっと気になるところではあります。
まあしかし料理はどれもおいしくて。
「水餃子」(540円)はチベット料理のモモのような包み方。最初からたれがかけてあり、ひとくちで頬張るとその柔らかさに驚きます。餃子荘の名前をつけているだけあり、独自性がありおいしい餃子です。
「ナスと豚肉のピリカラ炒め」(1,054円)もオーソドックスながら餡の粘性が高いところが本場ならではでしょうか。白いご飯があれば最高のおかずになりそうです。
「青菜炒め」はきょうは豆苗でしたが、スープがたっぷりで辛さはなくやさしい味。
空心菜もどんな味か試してみたくなります。
搾菜はよく見る褐色系のものではなく緑色。塩辛さがなく、ごま油が利いていておいしい。こんな小品にいたるまで、きちんとつくられていることに感心しました。
郊外の小さな店で、非常に狭くて階段も急、床も踏み抜いてしまいそうなほど古い店ではありますが、近所の人々に愛されているようで客が絶えることはありません。
もしこの周辺に行くことがあったらぜひ行ってみてください。
ちょっと毛沢東が怖いけど。
「餃子荘 紅蜥蜴」(桜新町・中国料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131707/13013116/