【移転しています】
移転先:渋谷区代々木2-1-1 新宿マインズタワー B1F
このプレートのランチ、いくらでしょう?
シシカバブ2本に羊のスペアリブ2本、それにサラダにスープに大盛りご飯におまけのパンまでついて、670円。都心でこの値段はありえないほどの安さです。
シシカバブ2本。羊の味がしっかりしていてソースもおいしい。
羊のスペアリブ2本。小ぶりながら食べるところはたっぷり。焼き加減がややウェルダンで野趣あふれる感じ。
山盛りのごはん。インディカではなくジャポニカ、日本の種です。
器はちっちゃいけどきちっと詰められててトマトも入ったサラダ。辣油ドレッシングと呼びたくなるような辛いドレッシングがいい。
スープも辛め。玉ねぎににんじんにピーマンなど、意外に具だくさんです。
さらにサービスで、こぶしより大きいパンがつきます。
これが焼き立てふわふわでおいしい。(サービスなので、ないときもあるようですが)
これだけついて、670円。あらためて驚きです。
この店があるのは代々木。
代々木駅北口から北に歩いて小田急の踏切に突き当たる手前を左。
古い雑居ビルの脇にある階段をのぼると入り口です。
店内は、開店から28年もたってるだけあって煙で燻されている感じ。
働くスタッフすべてが外国人であることにも驚きます。
この店のオーナーは世界を旅した経験から、日本にも羊肉文化を根付かせようと店を始めたとのこと。羊を常食としないのは、日本と朝鮮半島だけだそうで、この店のメニューにはそれこそアジアからアフリカまで世界各国の洋肉料理が取り揃えてあります。
食べてみたのは、チュニジアの餃子とアラビアのシシカバブ。飲み物・デザート付きのセット。
チュニジアの餃子は、羊肉のミンチ主体の具を春巻きぐらいの大きさの皮で挟み込みんだ、いわゆる揚げ餃子なのですが、面白いのはその食べ方。
直角三角形の両端を手で持ち、長辺の真ん中をかじるようにして食べていくというのです。するとそこにはとろ~んとした卵が。半熟というよりほとんど生なのですが、これがまた羊とよくあっていてなかなかの組み合わせ。エスニックのイメージにある刺激的ものがない、素直な味です。
現在、この店ではランチに「チコリのコーヒー」か「焼きバナナのデザート」がオプションで付けられるのですが、これもまた安い。
コーヒーが60円、デザートが110円、両方頼むと140円という破格。この店には10年以上前から来ていますが、むしろどんどん値段が下がっていっている印象です。
一方、最初に行ったディナーのメニューもなかなかオリジナリティあふれるものでした。
とくにこの店のオリジナルだという「ひつじのたたき」は思ったよりもクセもなく、すんなり喉を通りすぎる感じ。羊の臭みを期待(覚悟?)して食べると、拍子抜けしてしまいそうな感じです。
また、羊肉専門店でありながら、この店は魚料理もまたなかなかのもの。メニューに値段はなく、その日の魚をシンプルに味付けしたものなのですが、これが意外にもあっさりとしておいしいのです。
このとき頼んだものは金目鯛。岩塩と香草を振ってオリーブオイルで焼き上げ、ネギの細切りなどを乗せただけにも関わらず、身はふっくらとしていて金目鯛の身のうま味をうまく引き出していました。
また、先に触れたケイジャン料理もいろいろと充実。ケイジャン料理とは、アメリカ南部ルイジアナ州などに住むフランス移民の末裔たちの伝統料理。フランスの家庭料理を基本に、現地の食材を使ったものと言われます。
今回試したのはキャットフィッシュ(ナマズ)のフライ。私自身はナマズのフライはケンタッキー州ですでに経験済みですが、そのあっさりした白身のおいしさはなぜこれが日本で好まれないのだろうか、というほど。ただ、この店のものは胡椒をはじめとする香辛料が全面を覆っていて塩分も少々きつめ。ちょっと好みが分かれるかもしれません。
羊肉というものに抵抗がなければ、珍しい料理がたくさん楽しめて値段もお手頃。日本人の口にあうものもたくさんありますから、「食」に興味のある仲間が集まったらぜひ一度、行ってみてはいかがでしょうか。
「ひつじや」(代々木・羊肉料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130403/13000682/