でかっ。
両側のお茶碗とお椀と比べてもらえばその大きさがわかります。
これはブリカマ定食(1,030円)。
店頭の冷蔵ケースにあったのをちらっと見てたのでお得だろうとは思ってましたが、ここまでデカいとは驚きです。
東急本店の角を右に折れ、10分ほど歩いたエリアが神山町。最近は「奥渋」なんて名前で呼ばれるようになっておしゃれな店も増えてきましたが、もとは松濤の下に位置する庶民の街。
小さな魚屋が店の奥で定食を出すようになり、そのコストパフォーマンスの高さから評判になってやがて主客転倒。いまや2階も客席にして毎日昼時には近くの放送局をはじめ近隣のオフィスの人々が押し寄せます。
ただ、かつては驚異的なコストパフォーマンスを誇っていましたが、諸物価の高騰に加え、成長した息子たちが店で働くようになり、さらに家庭を持つようになるのと相前後してコストパフォーマンスは徐々に低下。また一方で、近隣の放送局が賃金カットされたことで1,200円~1,500円だった価格帯の商品が売れなくなったため、全体の価格も1,000円前後に下げてしまいました。ですので、以前のような圧倒的なボリュームとお得感が見られなくなったことも事実です。
しかし、それでもお得な商品はあるもので、ねらい目は開店直後。
レギュラーメニューとは別に、上記の「ブリカマ定食」などの限定メニューが2~3組だけ用意されていたりするのです。
鮭カマ定食も同様の限定メニュー。
これらは毎日あるわけではなく、その日その日の都合で出てくるメニューなので、行ってみなければわかりません。しかし常連はそのあたりを心得ていて、仕事を早く切り上げて狙ってきますので、それを「奪い取る」には開店直後しかありません。
この店に行くときはぜひ11:00の開店から遅くとも11:30までに行って、定番でないメニューを狙ってください。
なお、この店の注文システムはユニーク。
ショーケースの右の扉を開けると、右の壁一面にきょうのメニューが。しかもそのメニューは、たくさんのフックにぶら下がった発泡スチロール製の札で、これを客は自分の食べたい料理の札を選んで席に行き、店員に渡します。
その札の裏側には1から9までの番号が書かれていて、店内の壁に貼られた「当たり番号」であれば、明太子やしらすおろしといった小鉢がプレゼント。この当たり番号は日によって変わり、雨の日は当選番号が増えるなど顧客誘引の効果も担っています。
なお、ご飯としじみの味噌汁のお代わりは何杯でも無料。ただ、お代わりしておきながら残すのはご法度となっており、「ご飯残したら罰金500円」と掲示が貼られています。(実際に罰金取られる人を見たことはありませんが)
なお、この店のレギュラーメニューでお勧めは「銀だら味噌定食」。
こってり甘辛い味噌が、銀だらのふんわりとして脂の乗った身に非常に合い、ご飯が止まらなくなります。この店のレギュラーメニューではまず食べるべきメニューだと思います。
一方で、この店の名物として漫画「孤独のグルメ2」でもちらっと名前が出たサバの味噌煮がありますが、これはちょっと甘すぎ。私個人としては、ご飯のおかずにできるとは思えませんので、事前にご自身の味覚と相談してみてください。
以前ほどの圧倒的なコストパフォーマンスはなくなったとはいえ、いまやおいしい魚の定食が食べられる店は数少なくなってしまいました。この店がまだまだずっと続くことを願います。
「魚力」(渋谷・海鮮料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131810/13012554/