あれ?行列が短い。2年前はうんざりするほど長かったのに。
ここは、ランチにおいて最高のコストパフォーマンスを誇ると私が信じる魚料理の店。有楽町のガード下、有名な居酒屋「新日の基」のすぐ近くにある小さな店です。
今回、行ったのが12時20分ごろだったというのに、店の前には2人しか並んでいませんでした。2年前なら11時40分に行ってすぐ5~6人は並んでいたというのに。(下の写真は2年前)
この店のランチの注文方法は独特です。客はまず並ぶ前に店頭にある黒板のメニューから自分の注文するものを決め、店の引き戸を開けます。そして「〇番目だけど、刺し盛ととろさば。」とお姉さんに告げてから並ぶのです。〇番目、というのはこれから並ぶ行列の自分の位置。順次変わっていく順番を告げて意味があるのかやや理解不能ですが、とにかくこのシステムで店は回っているのですから従います。
この日はたまたま涼しい日で、気温は26℃台。パラソルもあり、むしろ快適ですらありました。なぜ行列が減ったのか。もしかしたらランチのコストパフォーマンスが落ちたのか、などと考えていましたが、店内に入ってわかりました。というか思い出しました。
6人しか入れないカウンターの狭い店内は、暑いのです。狭い店内で火を使ってますから外が26℃だというのにムッとするほど暑い。耐えられなくはないのですが、料理が出てくるまでの10分でこれはちょっとしんどい。しかしこれがもし35℃の日だったらと思うとぞっとします。
つまり今年行列が短いのは、それまでの猛暑の日に行った人々が蒸し風呂状態を体験。その記憶がこびりついてしまったものだから、やや涼しくなっても身体が抵抗感を覚えてこの店を敬遠してしまうのかもしれません。
だって、料理は相変わらずのコストパフォーマンスぶり。ほかに理由が感じられないのです。
今回頼んだのは「刺し盛ととろさば西京焼セット」(1,050円)。
以前に比べ刺身がいかにも切れ端っぽくなっているようには感じましたが、質のいいものであることに変わりはありません。
とろさば西京焼も、その名にたがわず脂の乗った柔らかい鯖の半身に西京味噌がいい具合にしみててほろほろっと崩れる感じ。焼き加減も絶妙で、相当においしい。
また、山形特産のキュウリなどを刻んだ「だし」がまた少量ながら梅紫蘇の味が効いておいしく、これをもっとたくさんもらってご飯1杯食べてみたいほどです。
以前食べたのは「刺身盛と銀ムツ煮セット」(1,200円)。
この銀むつ煮が、子どもの拳大のがふたつ。とろっと甘めかつ上品に煮込まれてとてもおいしいのです。
また刺身も非常に美しく、質の良さが際立っていました。
刺身がない定食ならば850円のものもあり、都心にしてまさにお手頃良心価格。
魚のランチといえば私にとっては渋谷神山町の「魚力」でしたが、その魚力ですら色褪せるほどのコストパフォーマンス。すごくおすすめです。
「さわら」(有楽町・鮮魚料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130102/13036069/