麺を焼き付ける日田焼きそばを発展させ「博多麺焼そば」を名乗る店。
たしかに両面キッチリ焼き付けられた麺はパリパリとバリバリの中間。噛みごこちがいい。
特に焼きそばのために選び抜いたというもやしは黒豆のもの。焼き付けられた麺を邪魔せず、まるで麺の一部であるかのように馴染んでいます。
また、豚肉の細切れも決して量は多くありませんが、うま味を出していて存在感あり。
ソースでの味付けはあっさりめ。
ソースというより、中国の調味料「醤」と醤油なども入っているのでしょうか。刺激的な匂いも味のキツさもない食べやすいもの。
基本、焼きそばのソースの下品さが好きでない私でも、このソースならばおいしいと感じます。
おすすめは「辛玉そば」。
辛く味付けられた胡麻の塊と、生卵が乗せられています。
辛さと胡麻の風味と、卵の甘さが重なり、並みの焼きそばとはひと味もふた味も違います。
そしてもうひとつのおすすめは餃子。細長く包まれた餃子は皮はしっとりして餡はトロっとしててなかなか絶妙。
個人的には焼きそばより好きで、一度焼きそばを頼まずに餃子12個と高菜ごはんだけの定食を作ってみたらすごく怪訝な顔をされてしまいました。
しかしこの「博多麺焼そば」、作り手によってかなり味が違います。焼き方はちゃんと講習しているのでしょうが、鉄板の前に立つ人によってこうも味が違うのか、というほど。
丸っこいメガネにガッチリした体格の男性(左門豊作風?)が焼いてくれる焼きそばはホントにおいしく、前を通りかかって彼がいなければ素通りしてしまったことも。
属人的な部分も大きい「博多麺焼そば」ですが、下品でなくそのパリパリした歯ごたえが魅力。
県内3店舗の小さなチェーンですが、目にしたらぜひ入ってみてください。
「バソキ屋 那の川本店」(福岡平尾・焼きそば)
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40019140/