福岡天神で朝食をとるならここ一択です。
とくにモーニングCセット(700円)の「具だくさん焼きサンド」。
重ねられたハムとレタスと薄いトマト。下にはゆで卵のマヨネーズ和えの上に敷かれたきゅうり。
ここに絶妙な辛子の効き具合があって完全無欠のハーモニーが生まれています。軽く焼かれたパンのサクサク感も完璧で、夢中でかぶりついてしまいます。
よくスリランカカレーは「混ぜて食べて調和と味の変化を楽しむ」と言われますが正直、混ぜて食べるのは好きじゃないし「だからなに?」って感じでした。しかしこのサンドイッチを食べて初めて「混ぜることで生まれる味の調和」というものを知った気がします。
ここは昔ながらの喫茶店。カフェと呼びたくない喫茶店。
天神のアーケード商店街・新天町の隅っこにある3階建ての古い建物です。
ところで先日、ふと気になって調べたら、いま天神地区にユニクロは一軒もない。商業の中心地だったはずの天神にユニクロが一軒もないのです。一方で博多駅周辺には3店舗。
現在、天神では「天神ビッグバン」という名の再開発事業が進められています。福ビルや天神コア、ビブレ、イムズと西鉄福岡駅東側のビルが軒並み解体され、オフィスビルに建て替わっています。東京・丸の内の再開発を真似たのでしょうが、そこは人の匂いがしない無味乾燥な街。ビルの地下に食堂街が設けられてはいますがどこかで見たチェーンの店だらけ。これでは街歩きなど楽しめません。実際、若者を中心に買い物客はみな博多駅にシフトしてしまっています。
先日さらに西鉄福岡駅の西側も大規模再開発計画が発表され、新天町も消えることが決まりました。
あとに建つビル街の1階部分に新天町の店を呼びもどすと言っていますが、その時には天神に買い物客はもういないことでしょう。
「天神ビッグバン」は天神という街を殺す、歴史に残る大失敗になりそうです。
さて、モーニングセットはあと2種類。トースト・ゆで卵・飲み物のシンプルなBセットが500円。
スクランブルのベーコンエッグとサラダ、トーストに飲み物のAセットが630円。
Aセットはまさに喫茶店のモーニングでこちらも満足感は高いでしょう。
ただ、私はこの店のCセットをぜひ食べてほしいと思います。
朝7:30からの営業開始とともに、老若男女が押し寄せ、あっという間に満席になる古き良き喫茶店。昔から続く日常の光景が、長く長く続くことを祈ります。
「サン・フカヤ」(福岡天神・喫茶店)
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400103/40018783/