ここの餃子は、注文を受けてから包み始めます。だから皮がもちっとして餡もしっとりおいしい。
しかし、ここは餃子の専門店ではありません。なんと屋台。ラーメンなどを出しながらこれをやるところが凄いのです。
今年はじめ、東京より一足先にまん防が解除され、ほとんど消えていた屋台が街角に一斉に戻ってきた福岡。
天神の北、日銀福岡支店の前にあるここ。昔は西鉄福岡駅横のスポーツセンター前にあったとか。スポーツセンターは大相撲九州場所の会場で、冬はアイススケートのリンクになっていた体育館。現在のソラリアプラザです。その数十年前の当時からの常連さんに愛され続ける老舗です。
名物はやはり餃子。福岡らしく小振りのひと口餃子が8個で一人前450円。単純に量からすれば高そうですが、実際に食べてみると高くは感じません。パクパク食べられて飲みにちょうどいい感じ。
また、ラーメンもよく炊き込まれたとんこつスープがとろんとしておいしい。
おでんは福岡の平均点(じゅうぶんおいしい)で、焼鳥も値段が安い割にネタが大きく焼き加減もよし。
定番の豚バラと皮、こちらで四つ身と呼ぶ鶏もも肉どれをとってもおいしい。
さらに豚キムチもキムチの味が濃く量も多めでいい酒のあてになります。豚キムチが日本で一般的になったのはつい最近ですが、広まったのは北部九州から。豚の脂身の甘さとキムチの辛さと酸味がいい組み合わせとなっています。
還暦前後の夫婦で営む小さな屋台ですが、一見の観光客だけでなく常連に愛されている姿が垣間見えてこちらも温かな気持ちになれます。
ビール中瓶に焼酎のお湯割り、餃子2皿に一品つけてラーメンで締めて3,000円弱。これでけっこう満足感あります。
焼酎のお湯割りなどに奥さんの化粧の匂いが付いてくることが時々あるのが玉にキズですが、おいしくて安くて温かいこの屋台、一度は行ってみる価値があると思います。ぜひ。
「忠助」(福岡天神・屋台)
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400103/40026080/