チコちゃんの「たぶんこうだったんじゃないか劇場」ではないですが、「たぶんこうなんじゃないか料理」というものはけっこうある気がします。
たとえば「勝浦タンタンメン」。
まだテレビも普及してない時代に「担々麺という辣油を使った辛くてうまいラーメンがある」という情報だけを頼りに作ってみたのがああなり、そのまま地域に定着したのではないかと。
もうひとつは十条の「からし焼き」。
「麻婆豆腐という豆腐と豚肉を使った赤くて辛い料理」という話を元に作るとああなってしまったのではないかと。
そして「ちゃんぽん」も「野菜と肉をスープと一緒に炒め麺に乗せたもの」という噂が全国各地に伝播し、九州人から見たら【似て非なるもの】になったような気がします。
戸畑、近江、網走と各地で変容を遂げ、沖縄に至ってはついに麺まで捨ててご飯ものになってしまったのです。
そしてここ、京都府北部の舞鶴。
ここにも舞鶴市民のソウルフードと呼ばれるちゃんぽんがありました。
なかでも、この店を知らなければ舞鶴市民ではないとまで言われる「みなづる」への潜入に成功。
いったいどんな料理が現れるのか…。
茶色い…。
しかも餡かけ。
さらにはストレートの細麺。
京都のきつねうどんから、京都の人は餡かけが大好きだというのは学んでいました。
そういう意味では地域に取り込まれていく過程での正常進化と言えるのかもしれません。
野菜は白菜を中心とした中華丼的なもの。
スープは醤油味の鶏ガラ。
これも勝手な“進化”ですが味濃い目でけっこううまい。
驚いたのは麺。異常に長いのです。
箸で持ち上げると普通は丼の30cm上あたりですべて持ち上がるところが、50cmまで上げても離れません。当然ひと息ですすることもできず、途中で噛み切ることに。ここまで長い麺は初めてです。
結論としてこれを「ちゃんぽん」と呼ぶことは九州人として抵抗があるものの、ひとつの麺料理としては完成されていて、おいしい。
舞鶴の人々のソウルフードと呼ばれるのはよくわかりました。おすすめです。
この店に来る客のほとんどが注文していたちゃんぽん。舞鶴に行くことがあればぜひ食べてみてください。
「みなづる」(京都舞鶴・ラーメン)
https://tabelog.com/kyoto/A2609/A260902/26007875/