サクッと軽く、油っこさがない。中は火が通っていながら硬くない。
パン粉はやや粗めでサクッとザクっとの中間くらいの歯ざわり。加熱した鶏肉にありがちなぱさつきもなく、下味も軽いので食べやすい。
まさにフライの見本のような揚げ具合を、わずか800円の定食で堪能できるとは思いませんでした。
この店があるのは市ヶ谷。
本社がなくなったあとも日本テレビ通りと呼ばれている通りの途中。
この季節、サルスベリの花が咲く中で看板に「番町食堂」とあるのが目印ですが、実はこれは店の名前ではなく「ペザント四番町」が正式名称。
ペザントとは農民・農夫を意味する英語ですが、あまりなじみがないので番町食堂を名乗っているのでしょう。
店は急な階段を降りた地下にあり、けっこう窮屈。
火を使うだけに万が一のことを思うとちょっと怖いですが。
頼んだのは「おたのしみ定食」。
この店の看板メニューのひとつです。
おたのしみだからといって何が出てくるかわからない、というわけではなく、チキンフライとマグロのブツのセット。
鮮やかな赤のマグロのブツは不揃いながら鮮度よさげです。昔、神保町に行くたびに通った「ふらいぱん」の「まぐろなかおち定食」を思い出させます。
チキンカツのほうは手のひらサイズのもの2枚を半分にした4切れと、必要にしてじゅうぶんな量です。
用意されているソースはウスターで、キャベツの量もささやか。
生卵がつくサービスもありますが全体としては質素です。
しかし千代田区のしかも番町でこの値段で提供し続けているのですから誰も文句は言えません。
メニューは洋食の定食を中心に15種類ほど。カレーとハヤシライスもあり、2日に1回くらい通っても飽きることはなさそうです。
まあ場所が場所だけに用事がないと行かないとは思いますが、近くに行くことがあれば思い出してください。
チキンカツには感動しますから。
「ペザント四番町」(市ヶ谷・洋食)
https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130904/13006410/