普通、フォーというと、鶏か牛くらいしか種類がないものですが、この店のフォーにはたくさんの種類が。
牛すじ、牛すり身団子、豚肉、海鮮、それぞれに辛口もあり…。
なかでも初めて見たのが「牛肉しゃぶしゃぶのフォー」。
しゃぶしゃぶのお肉よろしく、一部が赤いままの牛肉が浮かんでいます。
たしかに柔らかくておいしい。
しかしこれ、現地で出したら食中毒続出間違いなし。日本の衛生環境だから出せる特別メニューと言えるでしょう。
この店があるのは池袋西口。
「楊2号店」や「知音飯店」など辛い辛い中国料理ばかりのエリアかと思っていましたが、意外にベトナムをはじめとする東南アジアの店も多い。
はす向かいにあるマレーシア料理の店と悩んだ末にこちらに入りました。
頼んだのはランチAセット。
この日、午後から近くの大学で開かれるある資格試験を受けるので、眠くならないようフォーだけを腹ごしらえ程度に食べるつもりでした。
しかしラーメン屋に行ってもいちばん安いラーメンだけ頼むことができずに、つい餃子をつけたりチャーシューメンにしてしまう小心者の私。
やっぱりフォーだけ頼むことができず、生春巻に揚げ春巻にパパイヤサラダに飲み物まで付いてくるセットを頼んでしまいました。
生春巻はピシッと巻かれてて美しい。
海老も多くはないものの茹で加減よく、ちょこっと入ったハムもよし。
揚げ春巻もぎっしり詰まってて下味もしっかりついてて現地で食べた味を思い出させてくれました。
パパイヤサラダも、日本では材料が高いでしょうにそれを感じさせないボリュームがありました。
これに好きなフォーを1品つけて1,400円はたしかにお得です。
フォーもまた、しゃぶしゃぶの牛肉がおいしいのはもちろん、スープもきっちりコクがあっておいしく、麺もツヤツヤで透き通っていてのどごしが非常にうれしい。さすが米の麺です。
ただ、唯一の問題はお箸。
フツーの食堂にあるような黒いプラスチックのお箸で溝もないため、米麺がつるんつるん滑ってつかめない。食べにくいことこの上なく、最後の方は犬食いするしかありませんでした。
店名にフォーがつくだけに、フォーが猛烈に食べにくいお箸だけはどうにかしてほしいと思いました。
しかし、もうずいぶん昔にはなりますが私、毎年ベトナムに通ってた時期がありました。
とくに中部のホイアンという町に魅せられるうちに、現地の18歳の子と結婚しそうになったりと、いろんなことを経験しました。
それだけにベトナム料理にはうるさい私。
この店の素朴で優しい味わいはまさに現地を思い出させるものでした。
ただ、お腹いっぱいになりすぎて午後の試験がうまくいかなかったのは残念ではありますが…。
「フォーベト レストラン」(池袋・ベトナム料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130501/13002878/