これまで真空調理(低温調理)になってるとは…。
一見してわかりました。
断面がしっとりとしてほんのりピンク色。しかもどこをとっても均質です。
とくに鶏肉は加熱すると水分が抜けやすく、パサパサした食感になりがちでした。
しかし真空調理であればほぼ失敗なしで表面から中心まで同じしっとり感の「蒸し鶏」を作ることができるのです。(それを蒸し鶏と呼ぶかは別にして)
海南鶏飯食堂。
六本木ヒルズの裏手にできた当初から知ってましたが、そもそも六本木にあまり縁がないのと、混んでるという話でなかなか足が向きませんでした。
それがきょう、恵比寿に仕事で行き、ランチタイムになったので検索してみると「海南鶏飯食堂2」が。あらいつのまに。
海南鶏飯(チキンライス)って、東南アジア各地にほぼ同じものがあってベトナムでもタイでも安心して食べられるメニュー。何度も食べてきました。この店のはシンガポールスタイルとのことで、興味津々です。
場所は恵比寿駅東口から徒歩5分。五差路から、みずほ銀行を左に見ながら入る細めの路地にありました。周囲にはユニークな飲食店が多く、経済的に豊かな地域であることがわかります。
なんと「お受験専門店」まで。
着いたとき4人のグループが並んでいました。時間は12時ちょっとすぎ。ほんとならもっと大行列なのでしょう。コロナウイルス騒動は
こんなところにも。
待つこと5分で店内カウンターへ。
ランチメニューは「海南鶏飯」(950円)とその大盛り(1,250円)、それに「ココナッツチキンカレー」(950円)の3品のみ。
大盛りで300円の差は大きいな、と思い並を頼むと、お姉さんが「パクチーがつきますが大丈夫でしょうか?」と。
逆に「パクチー増量ってできるの?」と聞くとプラス50円とのことで頼みました。
先に澄んだ鶏スープが出てきましたが、鶏飯の提供もすぐ。
まあるく盛られた炊き込みご飯の横に蒸し鶏が添えられ、三種類のタレが乗せられた小皿も。
持ってきたお兄さんが「ごはんとタレはお代わりできますので遠慮なくおっしゃってください」と。
あれ?300円高い大盛りとの違いは?
ということは蒸し鶏も多いのでしょう。ならば300円の差も納得でしょうか。
タレは黒・黄色・赤できれいです。
黒いのは中国の醤油をベースにしたもので、赤いのはスイートチリソース、真ん中の黄色いのが生姜とニンニクのペースト。
この黄色のタレがおいしいのです。おろしたての生姜の風味がよく、口当たりも柔らか。
タイでもベトナムでもタレは醤油(魚醤)ベースのものだけだった記憶がありますから生姜&ニンニクのこのペーストは新鮮。これだけでずっと食べていたいほどです。
蒸し鶏は見た目の艶とぷるぷるとした食感が印象的。鶏肉特有の臭みもありません。また、炊き込みご飯は味を主張しすぎずサポート役に徹している感じ。全体に上品で洗練されたチキンライスとなっていました。
たぶんこれはシンガポールのものが特別に上品だというわけではなくて、この店で日本に上陸させるにあたって日本的な繊細さを与えたものなのでしょう。
東南アジアの屋台メシとはひと味違う東京の海南チキンライス。
これはなかなかのお勧めです。
「海南鶏飯食堂2」(恵比寿・エスニック料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13020061/