「プラス100円でライスがカレーライスになります」
「プラス100円でみそ汁が豚汁になります」
古いニッポンの洋食の店って、こんな柔軟さがありました。
しかし新宿のはずれにあった「いづみ」が閉店し、そうした店も少なくなったなぁ、と思っていたらまだありました。高田馬場に。
駅の早稲田口を出て横断歩道を渡って左。「さかえ通り」という飲み屋街を進み、途中を右へ。神田川を渡った向こう、道の左側だけに6軒ほど飲食店が連なっています。
そのなかの「ニュー早苗」が今回の店。
店内はカウンター6席に4人用テーブルが3つ。狭い店内にひしめくように並んでいます。
カウンターの目の前には「プラス100円で…」の札が。意地汚い私としては頼まない訳にはいきません。
注文したのは「しょうが焼き定食」。
店内のメニューにはなく、店頭の黒板にあった(たぶん)スペシャルメニュー。この店では破格の950円もします。そして「カレーもつけてください」。
しかし、出てきたのを見た瞬間「失敗した…」と思いました。量が多すぎるのです。
皿に盛ったご飯に単にカレーをちょこっとかけたのではなく、カレーライス3/4人前といった感じ。目玉焼きと福神漬けまで乗っています。いいのか100円で。
メインのほうはしょうが焼きというよりスタミナ焼き。ひとくち大の厚切り豚肉にニラやらもやしやらニンジンやらたっぷり。
味つけも生姜っぽくなくソースっぽいのですがしょうが焼きだと思わなければいい。野菜もじゅうぶんあっておいしいのですから。
そして別の日に頼んだのは「ハンバーグドライカレー」。
これに100円プラスしてカレーをかける?たしかにドライカレーにカレーソース(ルー)をかける店はありますが、ふだんやってない店でこれを頼むと「ウチのドライカレーは普通に食えねえって言うのかい?」と言われそうで気が引けます。
そこで「豚汁」。
そう、正しいニッポンの洋食屋のしきたりどおり、この店ではすべてのメニューに容赦なくみそ汁がついてきます。そのみそ汁を豚汁に替えればあら不思議、豪華ヘルシーメニューに大変身(するわけねーだろ)。
でも豚汁は具だくさん。これも100円でいいの?というほどです。
まあ豚汁もカレーもオプションですから、儲けはメインのほうでしっかりもらえればこっちで利益を取る必要がないのかもしれません。
あ、ドライカレーの味を書くの忘れました。古き良き優しい味。
ハンバーグも家庭的な安心できる味でした。
地味なエリアにたたずむ小さな店ですが、お手頃価格で毎日行っても飽きない味。
それゆえに常連が多いのも理解できます。
よかったら一度行ってみてください。
「ニュー早苗」(高田馬場・洋食)
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13087674/