生姜焼きが、ちょっと厚切りで量も多くて嬉しくなりました。
老夫婦が営む洋食屋。
普段は1,200円という「豚ロース生姜焼きとカニクリームコロッケ盛り合わせ」が今月のお得メニューということで980円。
小さな器に詰め込まれて出てきたので、ちょこちょこっと盛り合わせてごまかされたかな、と思ったものの、実際に箸を入れると結構な量。味付けもくどくなく、あっさりしていて好感の持てる味。これだけでじゅうぶん一食分はある感じです。
一方のカニクリームコロッケは我々がイメージするクリーム感が少なく、普通のコロッケに近いぼそっとした感じ。もうちょっととろっとしてほしい気はしますが、優しい味でおいしく、手作り感あふれる一品です。
この店があるのは「旧フジテレビ通り」。かつて郵便の宛先が「東京牛込局区内」だったのを覚えている人も少なくなりましたが、フジテレビは新宿区河田町の東京女子医科大学の並びにありました。当時はまだ都営大江戸線など姿かたちもなく、最寄りは都営新宿線の曙橋という「陸の孤島状態」にあったフジテレビを、学生サークルの仲間と訪れたのを覚えています。
現在は「女子医大通り」と呼ぶその通りに面した雑居ビルの2階にあるのがこの店。エスカレーターを昇ってすぐ左に小さな入り口があります。
狭いドアをくぐり抜け、厨房の脇をすり抜けるようにして進むと、12畳ほどの客室が。
写真ではけっこう明るく写っていますが、実際はやや暗め。4人掛けテーブルが中心で、18人ほどが座れます。
老夫婦がこの店で守り続けてきたのは、古き良きニッポンの洋食。
写真は、「ドライカレーオムライスのハンバーグのせ」(900円)。
薄く茶巾寿司のようにきれいにくるまれたライスは、やや味の薄いドライカレー。結構な量があり、食べ応えがあります。
おいしかったのがこのハンバーグ。ふわっとしてしっとり。丁寧に作られた手作り感がしっかりあって、スプーンで簡単にすくい取るようにして食べることができます。玉ねぎの甘みと柔らかな肉のうま味が口いっぱいにひろがり、なかなかの幸福感に浸ることができます。
そしてデザートもまた懐かしい。セットに必ずつくプリンは、昔むかし、プリンの素なんかを使って家で作ったあのプリンのようなレトロな味。カラメルの味といいもうなんだか童心に帰ったような体験ができる一品。たぶんこのプリン目当てで通っている人もいるんじゃないかと思います。
客層は高齢者が多く、しかもランチタイムは子供お断り。そのため、静かな雰囲気でゆっくりと食事を楽しむことができます。
老夫婦が守り続けてきた古き良きニッポンの洋食。ランチタイムは15:00までと長く、値段もお手頃ですので、もし若松河田を訪れるようなことがあれば、ぜひ一度この空間を味わってみてください。
「レストランモン」(若松河田・洋食)
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130504/13092451/