昔から「シューマイ」が名物なのですが、今回、串カツのおいいしさが特に印象に残りました。サクサクの衣の中には、脂身多めの豚ばら肉。熱々のジューシーですからまずかろうはずがありません。
一方、名物の「シューマイ」は手作り感あふれるもの。皮は薄く、中身はほとんど肉といっていいほど。ふんわりと柔らかく、たしかに名物と言われるだけはあります。
この店があるのは西早稲田。といっても、副都心線の西早稲田駅の近くではなく、昔からある都営バスの西早稲田バス停のすぐ近く。
もともと、早稲田大学はこの西早稲田バス停の近くにある本部キャンパスを別名「西早稲田キャンパス」と呼び、理工学部(理工学術院)のある場所を「大久保キャンパス」と呼んでいました。
ところが、副都心線の駅が理工学部に直結する形でできることになり(大学が無理やり駅をずらして誘致したという説も)、駅名が「西早稲田」に決まったとたん、突如「大久保キャンパス」を「西早稲田キャンパス」と改名してしまいます。きのうまでここにあった「西早稲田キャンパス」という名称が、いきなり1㎞以上も離れた場所に飛んで行ってしまったのですから受験などでは大混乱。当時、大学のデタラメさ加減には呆れたものです。
話がそれました。
居酒屋ですから、やはりメインは焼き物のようで、正肉からうずらの卵まで各種焼鳥が揃っていますが、やや塩加減にムラがあるようでしょっぱいものが混じっていたのが残念。
しかし酒肴のレベルは高く、刺身類でもこんなしゃれたものも。
また、「ゆずみそ田楽」はお湯にひたされたまま出され、あつあつを味わえるようになっています。
この店はとくに料理のジャンルにこだわりがあるわけではなく、「作れるものを出す」といった感じ。
なので「源そば」という名のけっこう本格的においしいスタミナ麺があったり。
鶏肉ごろごろの親子丼があったり。
手作り感がこぼれ落ちそうなオムライスがあったりと、しっかり食事もできる品ぞろえ。
まあ、飲みから締めまで一軒で済むという意味では重宝かもしれません。
昔、いま大学の図書館があるところに安部球場があったせいでしょうか、この店は早稲田大学野球部と深い縁があるようで、神宮球場で試合があった日には野球部OBなどで埋まってしまいます。
1926年、大正15年(昭和元年)に開店したというこの店。古き良き早稲田のバンカラな雰囲気を味わいながら、酒を酌み交わすのもいいかもしれません。
「源兵衛」(早稲田・居酒屋)
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130504/13000236/