セルフだから讃岐うどんではないのです。
安いから讃岐うどんではないのです。
セルフも安さも、製麺所の片隅で食べさせたことからはじまっただけのこと。讃岐うどんの本質とは本来なんの関わりもないことなのです。
しかし、あたかもそれが讃岐うどんの条件であるかのように騒ぎ立てているのは、しょせん知ったかぶりの田舎者。
この店は、讃岐うどんがブームになるはるか昔から、ずっとここで営業を続けてきました。少なくとも私がこの店の存在を知った1998年よりも前から。
午前11時から、麺がなくなるまで、かたくなにそのスタイルを守り続けてきました。
そして2008年3月、渋谷中心部から遠く離れた富ヶ谷に移転。入居していた雑居ビルの取り壊しに伴うものでした。
しかし、相変わらず行列は続いています。
移転後3回目にしてようやく入れたのは午後2時過ぎに行ったとき。
店に入り、横並びの2人席というちょっと不思議なテーブルに陣取ると、店内はほかに7人ほど。
しかし私のすぐあとに次から次へと客が来て、店はあっという間に満席になってしまい、店外にはまた行列ができてしまいました。誰も並んでいなかったのはほんの一瞬のことだったようです。
店はカウンター8席、テーブル席が4人×3と2人×1でキャパシティは20人ちょっとと、渋谷の街なかにあったころよりかなり余裕ができています。
また店内は壁の一面がガラス張りのショーケースとなっていて、前の店から飾られていたホーロー看板などのレトログッズが所狭しと飾られています。
さて肝心の味ですが、変わっていません。
「生じょうゆうどん」の「あつあつ」を食べたのですが、麺に隠れるように入っているだしがおいしく、あえて醤油を入れなくてもだしに味だけでじゅうぶん食べられるほど。天かすからしみ出す脂のうま味もあり、これだけで立派な一食にできるほどです。
また巨大な衣をまとった天ぷらもまた健在。野菜盛りとげそを別皿で頼んだのですが、カリカリの衣の中のげそはしっかり下味が付けられていてじゅわっとうま味が出てきます。
野菜天も椎茸、しそ、かぼちゃ、ピーマンなどそれぞれさくさくっとした感触でおいしく食べられました。
ただ、天ぷらを二種類も食べてしまうとさすがに後でもたれてきましたが。
生じょうゆうどんで100円アップなど、全体に値段が100円から200円程度値上がりしていますが、それでも味と量からすればコストパフォーマンス(価格性能比)はまだ高いと思います。
渋谷から行くのはかなり遠いですが、代々木八幡の周辺に行くことがあったらぜひとも足をのばしたい店
です。
「やしま」(代々木公園/代々木八幡・うどん)
https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131810/13001808/