たまたま歩いてて見つけました。これぞ【街中華】という店です。
池袋駅の南東に広がる飲食店街の端っこ。古い鉄筋コンクリートアパートの1階に店内が見えないオレンジ色のガラス扉と、コカ・コーラのロゴが入った看板。
中華だというのに店頭のケースではオムライスとかつ丼が最上段を占めています。
かつて飲食店のほとんどが「食堂」であり、専門化も曖昧だった昭和50年代がそのまま冷凍保存されているかのような店です。
頼んだのは「ウマニラーメン」(670円)と「ミニギョーザ(4個)」(300円)。出てきたウマニラーメンは琥珀色のスープに、肉や野菜を炒めてとろみをつけた餡がかかっています。
具はちょっとまばら。白菜にニラににんじんにチンゲン菜。イチョウ切りの蒲鉾が入っているのが珍しい。そして肉は鶏ではなく豚。この肉を口に入れるとかすかなアンモニア臭がするのは何かのスパイスでしょうか。全体は醤油味でまとめられた餡です。
麺は細めの縮れ麺。いかにも昔ながらといった感じです。
670円というお手頃価格としては文句のないパフォーマンスでした。
一方の餃子。ミニで4個ということで、サイドに頼んだのですが、出てきたのを見て「デカっ」と思わず声が出ました。この大きさなら普通の店の1人前はあります。
皮が薄く具はぎっしり。ニッポンの中華そのままの餃子で嬉しくなってしまいます。
こうした昔ながらの【街中華】はいまどんどん数が少なくなっています。一方で、中国人が鍋を振る激安中華が増殖中。
しかしこれらの中国人は調理人の資格で日本に入国していますが、実際は日本に送り込まれる直前に中国で料理の基本をちょっと仕込まれただけの素人だったりします。
日本人の好みに合わせてアレンジした「チューカ」を日本人が作る。
こうした【街中華】がもっと見直され、復活してもいい気がします。
消えてしまわないうちに、みなさんもぜひ。
「中華 幸楽」(池袋・中国料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130501/13062556/