限定の「和牛ハンバーグ」(150g)のセット。いくらだと思います?
ミニサラダとスープとごはんがついて980円。
東京ではありえません。
しかも通常のハンバーグセットが880円とその差たった100円ですから驚きです。
いやぁ、福岡はやっぱり物価安いわ。本気で引っ越そうかと思ってしまいます。
その和牛ハンバーグ。
鉄板の上でジュージュー音を立てながら運ばれてきたハンバーグを、箸で小さく切ってはふはふしながら頬張ると、しっとりとした舌触りのあとにうま味と甘味が広がります。
最近よくある粗挽き牛100%・つなぎなしの武骨なハンバーグとは対極の、玉ねぎの甘さと肉のうまさが調和した“ニッポンの洋食”の正統派とも言うべきハンバーグなのです。
この店があるのは福岡の都府楼前。
都府楼とは大宰府政庁の別名で、九州の中心であり大陸の窓口となった日本の副首都があった場所です。
最近では「令和」にちなむ場所として脚光を浴びていますが、つい10年ちょっと前までは田んぼ以外なーんにもない田舎でした。
そして私にとっては昔、憧れのマドンナが住んでいた甘酸っぱい思い出の場でもあります。
その田んぼしかなかった町が住宅地になり、ずいぶん変わってきました。
そのなかで自然発生的にできた店のひとつだったようですが、昔はけっこう苦戦してたとか。
味もいまいちだったのかもしれませんが、何よりも名前が悪かった。
旧店名は「キッチンKamI×2」。
こんな読めない名前に客が来る訳がない。店主の独りよがりが透けて見えます。
そしてローカル局の「愛の貧乏脱出大作戦」のパクり番組に出て修行し大復活を遂げたそうですが、店名を変えたこととテレビに出たことで充分だったのではないかと思います。
メニューはハンバーグと「ジャポネビーフ」が二大柱。ジャポネビーフとは、プレーンのスパゲッティの上に、細切れの牛肉と玉ねぎを炒め、醤油ベースで味付けしてかけたもの。福岡の「風月」という元喫茶店の名物を“いただいちゃった”メニューです。
ハンバーグのつけあわせは、スパゲッティとニンジンとブロッコリーとコーン。ニンジンがほろほろと崩れるほどに柔らかいのが嬉しい。また、スパゲッティがけっこう量が多いのも嬉しくなってしまいます。
スパゲッティが鉄板にくっつかないのかなと思って引っ張り上げてみると、下に薄く輪切りにされた玉ねぎが敷いてありました。こういう小さな心遣いを見るとほっこりするものですね。(生卵はオプション)
まあ福岡のしかも郊外ですから安いのは当然としても、ちゃんとおいしくサービスもいい。
令和発祥の地とされる坂本八幡宮の最寄り駅がこの店のある都府楼前駅ですから、九州観光のついでにランチはいかがでしょうか。
坂本八幡宮も大宰府政庁跡も、周囲にはほとんど飲食店がないことですし。
「とふろうグリル」(福岡太宰府・洋食)
https://tabelog.com/fukuoka/A4003/A400301/40041185/