煙もうもうのホルモンパラダイスです。
副都心線&大江戸線の東新宿駅を出てすぐ。
薄暗い店内には簡素な机と椅子が並べられ、着席と同時にゴミ袋が配られます。
油と脂をまとった煙の匂いがつかないようにこれに上着や鞄を入れろというのです。
机に真っ赤に焼けた炭がてんこ盛りの七輪がドンと置かれ、始まるのは炎と煙の饗宴です。
まず「ジャンボハラミステーキ」。
横30cm、縦10cmはあろうかという大きなハラミが金網を占拠。細かく包丁が入れられた一枚は、すぐに鼻をくすぐるいい匂いと煙を出してきます。
色が変わったらハサミで切って口に入れるとこれがうまい!お財布が許すならいつまでも食べていたいと思わせる味です。
そして驚いたのは「スライステール」。
冷凍したテールを機械で薄く切ったもので、食べる場所は骨の周りの四隅のちょこっとですが、これが美味。テールといえばスープしか知らなかったのですが、この食べ方はまたぜひ試してみたいものです。
さらに店の自慢の「極ホルモン」は脂がぷりっぷりでタレとの調和も絶妙。
「シロコロ」は豚のはずなのに牛のようなうま味と弾力ある歯触りがたまりません。
なに食べてもおいしく、予約なしではなかなか入れないのもむべなるかな、といった感じです。
ついつい大量のビールを飲んだせいもあってお勘定はふたりで13,000円ちょっと。
ただ、4人以上ならひとり5,400円で2時間飲み放題つきのコースがありますからリーズナブルに済ますことも可能です。
満腹になって店を出ると、店員さんがシュッとファブリーズ。ゴミ袋のおかげもあって家に帰っても服は大丈夫でしたが、翌朝、髪の毛をはじめ全身から脂と油と煙とたぶんニンニクの臭いが…。
それでもあの快楽は皆さんに味わっていただきたいと思います。
ちなみにいちばん新しい4番目の店が、新宿東口のまさに歌舞伎町の入口にあるのですがここだけは無煙ロースター。
炭火でじゅうじゅうと、ときに火の手が上がる独特の風情はないでしょうが、脂と油の匂いがついては困るという人にはこちらのほうがお勧めです。
でもやっぱり薄暗い店でもうもうと煙を立てて食べるのがホルモン焼の醍醐味だと思いますから、私としては本店をお勧めしたいところです。
「幸永 本店」(東新宿・ホルモン焼)
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13000078/