バインミー(bánh mì)とはパンを意味するベトナム語。
インドシナの香りそのままに、フランスパンを使ったおいしいサンドウィッチが楽しめる店です。
植民地として70年以上もフランスの支配下にあったベトナムですが、フランス人の支配層とベトナム人はずっと隔絶されていたために、実際のところベトナムの食文化にフランスの影響は実際にはほとんど残っていません。
唯一、根付いたものといえばフランスパンだけ。
いまでも道ばたのあちこちでは、小さなフランスパンにいろんなものをはさんでサンドウィッチを作ってくれる露店を見ることができます。
こうした露店では、おばちゃんと身振り手振りで話をしながら好みの具を入れて作ってもらったりという完全オーダーメードが可能。出来上がってどんな味になるのかもまた、楽しみのひとつです。
さて、高田馬場の裏路地にできたばかりのこの店は、このベトナムのサンドウィッチをそのままに売っている店。
「ベトナムハムとレバーペースト」「牛焼肉」「豚焼肉」「鶏焼肉」「アボガドとエビ」の4種類の具が用意されているサンドウィッチは、パンの大きさによって値段が決まりレギュラーのサイズが500円でミニが300円。
さらにレギュラーのサイズには焼肉の増量やレバーペーストの追加、さらにパクチー(香菜)やチリソースなど様々なトッピングが可能になっています。
この店がすごいのは、ベースとなるパン(ミニバゲット)も店内で焼き上げる自家製であること。これが単体としてとてもおいしく、カリカリ、サクサク。さらに注文を受けてから軽く焼き直してくれるために具をはさんでからもほかほかで、カリカリ、サクサクも維持されたままです。
さらに焼肉などもその場で焼いてからはさんでくれるためあつあつ。店で”なます”と呼んでいる大根とニンジンのあえものが副菜なのですが、これはまたしゃきしゃきとして、三者三様の歯ごたえと味が存分に楽しめるようになっています。
具は、レバーペーストは臭みがなく、甘めの味つけ。手作りっぽいベトナムハムとの相性もよく、いちばん現地らしい雰囲気を保っています。
また、鶏焼肉はあっさりした照り焼き風。あっさりしているぶん、副菜の”なます”の存在感を感じます。“なます”の名前がついていますが、お節に入っているような酢の味と香りがツンとくるものではなく、5mm角のスティックサラダといった感じでしゃきしゃき、ポリポリといった食感。個人的にはもう少ししんなりしてほしい気もしますが、野菜を食べている感覚があって悪くはありません。
牛焼肉は甘辛いタレで焼いたもので、韓国のすき焼き「プルコギ」を連想させる味といったらいいでしょうか。あれほどしつこく油っぽくはありませんが、ボリュームもたっぷりで男性も満足できるでしょう。
エビとアボカドはまあ普通の取り合わせ。とくにこのベトナム風のサンドウィッチにして食べる意味はあまり感じませんでした。
なおミニバゲットとはいえレギュラーでもかなり大きく、女性ひとりには多すぎるくらい。300円のミニで十分ですから、そのコストパフォーマンスは味と内容からすれば驚異的とも言えます。400円でもかなり安いと言えるでしょう。
この価格設定は、開店当初500円一種類だったのが客からの”大きすぎる”との声でミニを設定したためにレギュラーとの大きさの兼ね合いから300円になってしまったのでしょう。しかし今後”持続可能な経営”をしてもらうためには、一度価格を改定したほうがいいかもしれません。
また、かぶりついて食べるのもなかなか大変ですのでできたてをあらかじめ切って包装するのを選べたらいいかもしれません。そうすればレギュラーサイズを2本買って3人で分けるといったことができ、客としてもいろんな味を楽しめます。
なお、レギュラーのみで可能なトッピングを牛焼肉で試してみました。パクチー(香菜)50円はそれこそあふれんばかりの量の大サービス。まるでベトナムでカメムシになったかのような気分が味わえます。また、チリソース(30円)はタイ風の甘辛いものと青唐辛子が入った辛いものが選べますが、青唐辛子入りはけっこう半端でなく辛いので、よほど辛いのが好きな人以外はやめておいたほうがいいと思います。
現在は持ち帰りが主体で、店では外の椅子で食べることしかできませんが、買ったらもういてもたってもいられず、その場でかぶりつきたくなるような、そんな嬉しさを与えてくれるサンドウィッチ。
高田馬場に寄る機会があったら、ぜひ一度買ってインドシナの街角の雰囲気を感じてみてください。
お土産やホームパーティーに持参、というのもすごくいい選択肢だと思います。強くお勧めします。
「バインミー☆サンドイッチ」(高田馬場・ベトナム料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13103176/