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おめでたい核軍縮。

2009.08.30

 

どうしてここまで盲目的に信じ、礼賛できるのか。
首をかしげてしまいます。

それは、米国オバマ大統領が4月にプラハで行った
核廃絶にむけた演説に対しての、日本の一部の人々の反応についてです。

  

“核兵器を使用した唯一の核保有国として、
 行動すべき道義的責任がある”

“米国は、核兵器のない世界を目指し具体的な行動を取る”

たしかにこれらのフレーズは、これまでの米国大統領からは
けっして発せられることのないものでした。
とくに”加害者”としての道義的責任に言及した点で画期的です。

一部の人々がこの演説に、核廃絶への希望を抱いたとしても
無理もないことかもしれません。

しかし得意の演説で理想論をぶったとはいえ、
オバマはまだ具体的に何かをしたわけではありません。

具体的に何かをやり遂げたという点では、
実際に核軍縮をやってのけたレーガン元大統領のほうが
現時点ではよっぽど上です。

まだ何も評価に値しない段階、と言ってもいいでしょう。

なのに日本の一部の人々、とくに【左】に位置する人々の多くが
オバマのこの演説にコロッと参ってしまいました。
その光景は不思議であり、また滑稽でもありました。

広島市長も長崎市長も、原爆の日の平和宣言で言及するなど
諸手を挙げての歓迎ぶり。

原爆を落としたのがどの国だったのか忘れてしまったのではと
思わせるほどの熱烈な支持でした。

日本共産党の志位委員長にいたっては、
オバマ大統領に出した書簡に返事(代筆)が来たといって
テレビで見せびらかし、麻生首相に見せびらかすほどのはしゃぎよう。

それはまるで、憧れのアイドルに出した手紙に
(ファンクラブから)
返事が来たといって狂喜乱舞する女子高生と
同じレベルの阿呆です。

しかしなぜ、【左】の人々の多くが今回のオバマ演説に
コロッと参ってしまったのでしょうか。

そこにはどうも、反戦平和運動に対する彼らの根本的な姿勢が
にじみ出ているような気がします。

というのも日本の【左】の人々の多くにとって、
反戦運動とは「平和、平和」と唱え続けること。

それは、念仏を唱えてさえいれば極楽浄土に行けるという
大乗仏教と同じであり、戦略も理論も具体的行動もありません。

だから、一部では “軍隊がなくなれば戦争がなくなる”  というような
中学生並みの考えを、大人になっても真顔で言い続け
られるのです。

今回のオバマの演説は、そんな彼らの他力本願の
潜在意識にぴったりフィットしたのでしょう。

「平和は勝ち取るものではなく、与えられるもの」という
彼らの「甘え」が、”オバマ礼賛”の過程で図らずも
さらけ出されてしまったような気がします。


 

 

 

…おいおい。

 

 

この文章は「とっておき!!のねごと。」からのものです。
http://www.totteoki.jp/negoto/

 

みんみん(♂)とっておき!!支配人

福岡県生まれの九州男児。中学高校とブラスバンドに所属し、高校のブラスの先輩がタモリさんというのが数少ない自慢です。メディア関係の企業に就職し、転勤族だったため各地のおいしいお店を探して食べ歩きを始めたのがこのウェブサイトの原点。現在は、映像関係の会社を営んでいます。

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